短編:Craving（土方×希美） ページ21
『もし・・・・もし土方の身に深刻な問題。それこそどちらか一方が犠牲になる方法しかないと言うことが起これば─────今度こそ彼女は、破綻する』
いつの日か、女史は言った。
俺の身に、深刻な問題が起これば。
どちらか一方が死ぬしか方法がないぐらいの有事が起これば。
希美は─────破綻すると。
ここで言う破綻はきっと、希美が希美じゃなくなっちまう事だろうか。
正直、分かりきっていた。希美が俺の傍に居続ける事はそうなる事だと。
アイツは脆い。それも、触れれば壊れてしまう程。
アイツは儚い。それも、直ぐに消えちまいそうな程。
そして何より────異常な程、死を恐れている。
誰かを失う事に、失う恐怖に、怯えて震えている。
何時か、隊士が言っていた───春咲希美は、愛が重いと。
それは、恐怖から来ていると、俺は知っている。
そしてまた隊士は言った────苦しくないかと。
分かってる。分かってるンだそんな事。
希美は未だに
それでも───それだとしても。
アイツの穢れきった、傷だらけの身体を抱けるのは────。
─────────────────────────────
荒い息をしながら、仰向けになっている希美の身体を険しい目で見下ろした。
その肌は、雪のように淡く白い。しかし、普通の女とは違って、所々に切り傷や火傷跡が目立つ。
高校の頃のヤンチャしてた痕だと言っている。それが本当なのかは分からねェ。
けど何時か言っていた、この傷痕は───忘れてはいけないと。己の罪と罰の数だと。
なら、希美が背負う罪と罰の数は、一体どれぐらいなんだ？
こんな脆く、儚い腕で、どれだけの罪を背負うつもりだ？
一体どれだけの罰を受けるつもりだ？
ふと、希美の細い指が、頬に触れる。
「トシ・・・・どうした？ンな怖い顔、して・・・｣
焦点のあってない、紅玉色の瞳が俺を映す。
あァ───強ばってるな。完全に。なんて、自分を嘲笑った。
するり、と頬をなぞる希美の手は、心做しか冷たく感じる。
ずっと独りで、居たからなのか。心の冷たさが、手にも現れてるようだ。
だから俺は、希美の手の甲に触れて優しく握りしめた。少しでも、暖まるように。
「大丈夫だ・・・お前は気にすんな｣
掌に口付けを落とす。そこにいてくれと希う。
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神埼梨花(プロフ) - riiuさん» 色々ごちゃまぜ(´°Д°｀) (2019年11月15日 22時) (
レス) id: a74ed67423 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - 優里菜ちゃんに聞くんか…嫌な予感しかしませんね本当にありがとうございました（） (2019年11月15日 22時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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