短編:溶けたショコラは誰の味？（沖田×雪乃） ページ19
二月十四日。デパートでは至る所にバレンタインの香りがした。
生憎雪乃はそう言ったリア充の祭典など、そんなに興味はなく精々友達のラフィアや沙月達から貰う友チョコ。部活の先輩や後輩から貰うチョコを貰う人してしか認識してない。
それに、バレンタインはやたらと女子が張り切る。一般的には男子が胸を躍らせると思うが、安栗高校の男子はチョコを貰えるとは思ってないらしい。そもそも、カップルというの自体珍しいのだ。
まぁ、荒木家のバレンタインは今年も雪乃は弟達にちょっと高めのチョコを買って済まそう───。
と、雪乃は奥の方に続く道で立ち止まると、その奥を凝視した。
目を凝らすと、誰かが立っていた。
栗色のショートヘアーに、紅玉のような赤い目。
微かに聞こえる特徴的な江戸っ子風の口調。
すらりとした長身の人影。顔つきはジャニーズに居そうな美青年。
「────────え」
以前買った私服で分からなかったが、あれは完全に見慣れた顔だ。
ところで───あいつは、何でここに。
以前バレンタインには興味無いと言ったはずなのに・・・。
雪乃は不審に思い、青年の方に気付かれないように近づいた。尾行は苦手だが、気になってしょうがない。なら、後をつけるしかない。
「おねーさん。一番人気のチョコはなんですかィ？」
「そうですね・・・こちらの猫の形をしたチョコがオススメですね。味も様々あって・・・」
店員らしき人が、ショーケースに陳列されたチョコを紹介する。それに、棚に置かれてあるチョコも紹介している。
それにしても、あいつは何でチョコを買うのだろう。
誰かに渡す用────いや、そんな訳は無い。
大体彼は意地悪で、ドSで、性悪なクソガキだ。そんな奴が誰かにチョコを渡すなんて、前代未聞───。
「・・・・じゃあ、このチョコをくだせェ」
「かしこまりました。プレゼント用のラッピングは必要ですか？」
「あー・・・・無しでお願いしやす。
瞬間、胸がどきりとした。
丁度近くに？送る人がいる？それって──────まさか？
高鳴る胸を推し殺しながら、沖田が代金を払うのを見る。
・・・・いやいや、そんな訳ないか。あんな奴が誰かにチョコを渡すなんて。ましてや、こんな女子力が極めて低い荒木雪乃に渡そうだなんて、自惚れにも程が────。
「なぁーにさっきから俺の後着いてきてるんでさァ。気配がダダ漏れですぜ？」
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神埼梨花(プロフ) - riiuさん» 色々ごちゃまぜ(´°Д°｀) (2019年11月15日 22時) (
レス) id: a74ed67423 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - 優里菜ちゃんに聞くんか…嫌な予感しかしませんね本当にありがとうございました（） (2019年11月15日 22時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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