紅き弾丸、蒼き銃士（舞奈香×また子etc） ページ12
日も傾きかけ、夕暮れ時になりそうな刻の頃────喜瀬舞奈香は図書館で作業をしていた。
彼女は図書委員であるため、返却棚に置かれてあった本を全て本棚の元に戻していく。
最近は何かと忙しくて、小説も更新しきれていない事を思い出した。前に更新した日は───────あぁ、火影という殺人鬼に襲われた前の日だ。
鬼兵隊の兵器の回収をしに行き、兵器である紅色の刀剣を回収して、それから火影に襲われて、それから・・・・・・─────嗚呼、記憶が曖昧だ。
あの時頭部を強く打った故、記憶が欠損しているのだろう。
そして、全ての本を本棚に戻し終えた────
かちり、と機械的な音。
後頭部に当てられた、無機質な物体。
「────────」
その一瞬の
確か、鬼兵隊に件の兵器を回収しに行った時に攻撃されたのを思い出した。
それは、火影に襲われる前の話───兵器を保管している場所に潜入して回収しようとした時に、銃で撃たれた傷が出来た。弾が直接当たる事もなく、ただ頬に肩、そして額を掠っただけだ。
その得物は明治辺りに製造されたシングルアクションのカートリッジ発射式のリボルバー拳銃────S&W スコフィールドだと記憶している。
現代でS&W社製のリボルバー拳銃を持ってる人は限られる、持ってたとしても複製されたレプリカ。
つまり、実弾が発射可能のスコフィールドを持っていて己と対峙した存在となると────。
「──────恨まれるのは分かってたけど、まさかここまでとはね｣
「ようやく見つけたっスよ、喜瀬舞奈香。命が惜しかったら、大人しくするっス｣
「・・・・・・・オーケイ、大人しくする。ここで抵抗したところで、無関係の人間が巻き込まれるだけだ」
舞奈香は自分は何もしないと知らせるように両手を上げる。図書館がある二階には職員室もある、ここで下手な抵抗をすれば教職員か警備の人が駆けつけるだろう。
・・・・警備の人ならまだしも、教師が実弾銃を持った彼女に立ち向かえる力があるとは思えないし、足でまといにしかならない───最悪無関係の人間が死にかねない。
リスクを犯すより、安全策だ。
「要件を聞こうか。僕はここで荒事を起こしたくないんだ・・・・｣
「随分と拍子抜けな事を言ってくれるっスね、アンタのせいでこっちは面倒な事になってるんっスよ・・・!!!!」
リボルバーの持ち主は、声を荒らげて言った。
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