終わったあとの話（�掘� ページ11
「──────じゃあ、なんであんなことを・・・｣
有り得ない言葉に動揺しつつも、希美は言葉を紡いでいく。
「そんなの決まってるだろ？俺達は互いに世界を憎んでいる。
仲間の仇を、奴らに同じ苦しみを────殺せ、殺せと、耳元で獣が四六時中騒いでいるんだろ？｣
酷く優しい言葉で応える高杉に、希美は目眩がしそうだった。
あんな乱暴な事をしておいて、邪智暴虐を尽くした悪魔が────希美の事を思って行動していたのかという事実を受け入れられない。
「俺とお前は同じ苦しみを味わってる。
俺はお前でもあり、お前は俺でもあるんだよ───｣
「・・・・・・・・それは否定するつもりは無い。
でもお前は楽しんでるだろ。誰かを殺す事を、誰かを未来を壊す事を、楽しんでるだろ・・・・？
けどそれは違う、俺はお前とは根本的に違う・・・
俺は人を殺すのを楽しんで───────｣
しかし、その言葉の続きを紡ぐことは出来なかった。
何の前触れもなく、突然全身が硬直する。
高杉は春咲を見下ろしていた。
飽きれるほどの冷たさと、溢れんばかりの熱を感じる瞳をしていた。
─────凍りつくようなほどの狂気が背筋に這い寄る。
「そいつァ大したモンだ・・・でも俺ァ知ってるんだぜ？
人を殺した後のお前さんの顔は────────────笑っていたんだがなァ｣
刹那、口の中に何かが注ぎ込まれた。
紅い紅い何かが、口の中に注ぎ込まれる。
希美は直ぐに、これの正体を分かってしまった。
ぬるりと肌にまとわりつく触感。気持ち悪い程の生暖かい感覚。微かに香る鉄の匂い。赫く黒い色彩。
────────高杉の、生き血だ。
「んぐ・・!?が───ぐ・・・!!!!!!」
「くくくっ。どうだ希美。久々に飲む血の味は｣
「か、ふっ────んぐ・・・!!!!!!」
口腔にまとわりつくぬめりけのある鮮血の感触
吐きそうなほどの生暖かさい感覚。
気持ち悪さと冒涜的で背徳的な何かに襲われそうで、希美は必死に悶えた。
──────頭の中で、土方の顔が浮かび上がる。
──────厳しく叱り、抱きしめてくれた土方。
──────優しくも強い、大切な人。
倫理的に狂った状況が余計に、その表情を鮮明に映す。
こんな姿、土方には見せたくなかった。
醜くて、狂った、こんな自分の姿を。
「──────────愛してるぜ、希美」
壊れる意識の中で、壊れた男の声が頭に響いた。
紅き弾丸、蒼き銃士（舞奈香×また子etc）→←終わったあとの話（�供�
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