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White out(玲奈etc...) ページ18

いつも思う。
人間はどうして、こうも悪逆非道になれるのかと。
父親から虐げられ慰みものにされた私が言うのもなんだが、たまにそう思ってしまう。
───確か誰かが言っていた。人は生まれながらの悪は居ないと、人は生まれた時は善の心を持っていたと。
生きる過程で、悪に染っていくと────。
そう、人間は簡単に悪に染ってしまう。私のように、簡単に黒く塗りつぶされていく。
どんな色でも混ぜきってしまえば黒になるように、人は簡単に悪に落ちる。
だから私達が導かないといけない。人が悪に染まらないように。
もう人間の情には流されない、人間の情など信じない。
凍土になりきった大地に花は咲かない─────。
そして私は氷の杖を振り上げ、腐敗しきった政府の一端を始末する─────。

「────────え」

振るった杖は氷像と化した若者を破壊するつもりだった。
けれどその杖は冷気を放ち動きをやめた。
捨てたはずの憐憫が沸き起こった?情けが出てしまった?
そんな訳ない、そんな感情はとうに捨てたはずだ。
なのに、どうして─────杖が止まったのか。
そして気がつけば、氷像と化した若者が段々融解していく。
氷が溶ける様になんかじゃない。
氷になる前に巻き戻る(・・・・・・・・・・)様な光景だった。
「な、何が起きて─────」
これまで起きたことの無い異常事態に私は戸惑いを覚える。


「・・・・関係する老若男女は皆殺しかい?これじゃあ単なる殺戮だね」


凛、と鈴が響く声。けれどその声色は、氷のように涼やかなものだった。
振り向けばそこには、青白い色合いのロングコートを羽織った女性がいた。
髪の色は夜を彷彿させるような色合い。ルビーのような赤い瞳は見蕩れそうな感覚を思い出す。
そして、伸ばしている右手には冷気が吸い込まれ─────氷像と化した若者が人に戻る。
「───────っ!な、何が起きて・・・!」
「そこの若人!命の灯りを消したくなければ早く去れ!」
魂が震えるような声を張ったと思えば、戸惑いう若者はその場から逃げていく。
若者が逃げて見えなくなった直後に、私の動きは自由になった。
──────この女は、一体何者なんだ?
春咲希美の口からも、彼女に関する事は聞いたこともない。勿論、晋助様からも。
「困ったものだね・・・岡田似蔵は比較的探しやすかったものの、目的の君は見つけにくかった。
でも、それも今日でお仕舞い。

私の異名(なまえ)────返してもらうよ」

こんな世界で生きる価値はあるの?(雪乃etc)→←言葉が無くても想いがあれば届く(万事屋組etc.)



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設定タグ:銀魂 , 逆トリップ , ファンタジー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:梨花 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年5月9日 16時

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