【企画小説】夢幻の如く【リレー小説】 (ページ3)

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3:落ちた先はページ3

――主神side――

｢う…………うぅ、ん……｣

ズキズキと軋むような痛みに目を覚ます。

瞳を開け、真っ先に目に入ったのは青い空。

白い雲がゆらゆらと流れている。

……ん？

青い空、白い雲？

おかしい。

天界は黄泉と同化し空は黒くなったはず。

雲だって、灰色のものになっていた。

それなのに、青い空に白い雲なんて。

感じた違和感にバッと体を起こす。

途端、身体中を鈍い痛みが襲ったけれど気にしない。

頭上に広がるのは青い空、白い雲。

下をみると、豊かな緑が私を包んでいる。

……ここは、いったい…？

『ぎしゃあぁぁぁ！！』

｢……っ！？｣

疑問を浮かべた刹那、聞こえてきた雄叫び。

そうだ。

私は“奴ら”の攻撃を防ぎきれなくて……

周りを見回すもの、見知った顔は一つもない。

どうやら世界の狭間で流されるうちにはぐれたらしい。

私が下界にいる以上、皆もいるでしょうが……

皆が下界にいるということは、つまり。

元いた天界は完全に乗っ取られてしまったということ。

行き着いた答えに、ぎゅう、と拳を握り締める。

私が不甲斐ないばっかりに、下界にまで影響を及ぼすなんて……

『ぐぎゅるるるるる……』

再度聞こえた唸り声に、握り締めた拳を緩める。

今は悲観している場合ではない。

せめて、せめて同じ過ちを繰り返さないように。

この世界を、街を、守らなくては。

それにこの世界の祠が壊されたことが全ての始まり。

祠さえ修復すれば天界を取り戻すのは容易い。

そのためにも、今、頑張らなくちゃ。

私はゆらりと立ち上がり、どす黒い“何か”……

妖(アヤカシ)達と対峙した。