ミカちゃんとうち(と、一花) ページ3
「あの子が小谷さんね。ちょっと待ってて」
同じ体育館部活で知り合いの一花が、小谷さんにまず声をかけに行く。
小谷さんはうちらのほうを見ると、一瞬、ビクッとしたように見えた。
一花が手招きしてくれたさかい、ミカちゃんといっしょにうちは近くに行く。
「なあ、小谷さん。ミカちゃんに言ったあのこと、本当なん?」
何かははっきりと言わなかったけど、小谷さんは視線をずらす。
思い当たることがあるんやな。
「・・・成績のいい二人が、う、うらやましくて。わ、私だってがんばってるのに、二人ばかり勉強で注目されてて・・・」
どうやら、理由は嫉妬みたいや。
小谷さんは、さきほどのミカちゃんより顔を青くし、うちらに向かって勢いよく頭を下げる。
「ご、ごめんなさい! 本当は宮美さんを傷つけるつもりなんてなかったし、ちょっと脅しただけです。
私、親からテストでいい順位を取るように言われてて。二人が一人になれば、どちらかに勉強を教わりやすくなるかなって・・・」
必死に頭を下げて、涙目で言ってくれた小谷さん。
本当は真面目な子みたいやな。
親に言われて、ストレスが溜まってたんじゃないやろか。
ミカちゃんはそんな小谷さんを見て、目を丸くする。
そして、彼女の肩に手を置いた。
「なぁんだ。そんなことなら、最初から勉強を教えてって言ってくれればよかったのに。
私、全然教えるわよ」
「え・・・いいんですか」
「もちろん」
小谷さんに笑いかけて、手を差し伸べたミカちゃん。
それを見たうちと一花は、クスッと笑う。
「きっと四月も、喜んで教えると思うわよ。小谷さん、四月の新しい友だちになってくれるとうれしいわ。もちろん、私たちとも」
「よ、四つ子さんと友だち!?」
あわあわとそわそわし始めた小谷さん。
どうしたんやろ?
「あ、もしかしてうちらのファンとか?」
「は、・・・はい・・・」
「え、冗談で言ったつもりやったで!?」
うちが冗談で言ったことが、まさかの的中!
うちら四つ子のファンがいるってのは、本当やったんやな。なんかうれしいな。
「まあこれで、一件落着や!」
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作者名:あかはんてん。 | 作成日時:2024年3月11日 18時