杉山夫婦になる前の日常 * (ページ19)

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- お付き合い * ページ19

『すみません…なんか私の買い物に付き合ってもらっちゃって…そのうえ荷物まで持って頂いて…』

杉「いえ、楽しかったですよ、女性の買い物に付き合う機会なんてまず無いので」

カフェを出てからやってきた大型ショッピングモールで萃は本から洋服まで、色々なものを買って回った

その際杉山はずっと離れること無く萃の一歩後ろに立っていたからかショップ店員からは「素敵な彼氏さんですね」と呟かれる始末
萃はそう言われる度に顔を真っ赤にしていた

『明日からまた頑張りましょうね』

その言葉が2人きりのデートの終わりが近づいている事を指しているのを分かれば杉山は少し焦ったような表情になる

閉園前の屋上庭園には2人きり、絶好のチャンスだ

杉「………あの、鷹野さん」

緊張した面持ちの杉山に萃は不思議そうな表情を浮かべる、『どうしたんですか？』と返しても次の言葉はなかなか返ってこない
それでも急かすことなく萃は杉山を見つめていた

杉「重いかもしれませんが、僕はその…言葉が上手くありません、声優として仕事をしていますが自分の言葉で…こういう事を言うのは慣れていないので率直に言わせていただきます………僕と、結婚を前提にお付き合いして頂けないでしょうか」

杉山の言葉に萃は顔を真っ赤にする
まさか、今日そんなことを言われるなんて思わなかった、とでも言うように口をぱくぱくさせる

杉「一目惚れでした、あの会った瞬間に本当に、好きだなって思いました」

杉山の口から紡がれる言葉に萃の顔はどんどんと真っ赤になっていくが杉山の顔も真っ赤だ、萃は瞳に涙を浮かべそれは溢れ出す

『私で、いいんですか？方向音痴だし、足りないところばっかで』

杉「足りない部分は補い合いましょう、大丈夫です、ここ数ヶ月でみた鷹野さんはとても素敵な女性です、これから見る貴方もきっとそうです」

『よろしく…お願い、します』と小声で呟く萃に杉山は安堵の表情、力が抜けたかの様にその場にしゃがみこむ
それに驚いた萃も顔を覗き込むようにしゃがみこめば杉山は萃を強く抱き締めたのだった