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Aside
「...因みにNEWSは誰担なの?」
「おお、嬉しい。だからさっきシゲちゃんって言ってたのね」
信じられない。私今シゲちゃんと喋ってる...
これは夢なのだろうか?神様からのご褒美なのだろうか。いいことしたっけ私。
口の中で焼肉のタレが「これは現実だ」と舌にまとわりつく。目の前に推しが座っている。
「いやいいよ、可愛いかったし。」
そして盛大なファンサを貰った。
命日か、命日なのか今日は。にこっと笑う私の推しがオレンジ色の照明と重なり輝いて見える。
推しの尊さを感じる。
…
やばい、平然を取り戻さなくては。これでは完全にただのオタクだ。
そんなこと言ったって!!!
「あのさ、提案があるんだけど、」
「へっ!?」
思わず変な声が出てしまう。
「あっいや、もしよかったら、さっきの話引き受けてもいいかな?」
え?
「えっ、でもライターじゃないんですよね?」
「うん。そこなんだけど、
俺アイドルだけど、作家もしてるじゃん?だからめちゃめちゃ取材とかするのよ。それこそ現地の職業とか。
結構な回数行ったりするから、それを毎週余白堂で、俺がその職業のプレゼンをする!
ほらさっき、どうして周りの人は直接見た事も無い職業に憧れることが出来るのかって言ってたじゃん。
だから、なかなか直接見るのは難しい高校生Aちゃんの代わりに、俺が現地に行って取材してくる。
どうかな?」
嬉しかった。人と関わることを避けてきた私に寄り添ってくれてる人がいる。
それが誰であれ、その存在が嬉しかった。
なんて優しい人なんだ。私の推しは。
「どうして、そこまで私の面倒を見てくれるんですか?」
どうしても気になってつい聞いてしまう。
「んー、俺、ジャニーズのオーディションの紙出したの母親なんだよね。
だからそういう、職業選択みたいなこととか、したことなかったから、とか?」
「…よろしくお願いしますっ!!」
「あははっ、いえいえこちらこそ。」
「あの、」
「ん?」
「まだ成さんって呼んでてもいいですか?しっくりくるので...」
「いいよ、新鮮。」
「じゃあ早速。Aちゃんはどんな分野に興味があるの?」
「えっと...人見知りはどうにもならないけど、やっぱりサービス業に憧れます。
にこって話してる人見ると、羨ましいなって...」
「なるほどね。じゃあ.....」
こうして、私の職業体験がスタートした。
私を変えるために。
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紫翠(プロフ) - 八百万さん» 八百万さん、コメントありがとうございますとても嬉しいです!!現在この作品の第2編(まっすー編)も連載中ですのでそちらもぜひお楽しみください! (2021年6月22日 21時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
八百万(プロフ) - 最初から一気読みしました!とても面白くて気づいたら読み終わってました!こんな面白い小説を読めてよかったです!ありがとうございます! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 6b4fee2f31 (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» momoさん最後まで読んでくれてありがとうございました!こうやってコメント頂けて本当に嬉しいです(泣) 今後とも紫翠をよろしくお願いします!! (2021年4月20日 0時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 完結おめでとうございます!思いでの本屋さんは、更新されたら絶対に一番最初に読む!くらいな勢いで好きでした!(今もめっちゃ大好きです!)完結しましたが、また読み返します! (2021年4月19日 18時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» STORYも最高でしたね(涙) (2021年4月3日 19時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫翠 | 作成日時:2021年3月15日 0時