月魔の館へようこそ[2] (ページ26)

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能力者70人目(千登勢) ページ26

side千登勢

能力で全員を月魔の館に連れて行くの疲れたなぁ。
あの後、まほさんとロゼさんに謝ってロゼさんも勘違いをしてたらしく謝ってくれた。

そして、一緒に妹を探してくれるらしい。

疲れたし、窓際に一人で座ろう。そして女性が歌った［アイネ.クライネ］を聴いた。
思い出すなぁ。なかなか友達が出来ない頃、元気な春奈が一緒に居て、一緒に曲を聴いてたなぁ。

本当、どこに行ったのよ春奈。

【お姉ちゃん、月魔の館に行ってくるよ。そして、お姉ちゃんを助けるよ】

もしも、大雨が降る前に止めとけば、こんな事にはならなかったはず。
あの時、誰も予想はしていなかった。そして親は悲しんだ。

全部、私のせいだ・・・・・

妹を止めなかったのも、

言い出せなかったのも、

妹が行方不明になったのも、

全部、全部、私のせいだ____

あの時止めていれば、

あの時、全ての思いを伝えたら、

あの時、_____

もうやめよう。こんな思いしても春奈は悲しむはずだ。

いつの間にか、曲が終わったらしい。

違う曲でも聴こう。
シャルルでも聴こうかな。

この人が歌ったシャルルはとても気に入っている。
名前はぺいんとらしい。
変わっている名前だなって思ったり、ならなかったりする←

「ねぇ、何を聴いているの？」

私のそばにいたのは、金髪のイケメンで目立つ＜ぺ＞を書かれたTシャツを着ている男性だった。

『あの、えっと、シャルル、と、言う曲を聞いていただけです、、』

人見知りでコミュ症なみたいな発言をした。
男性と話すのは苦手だ。女子と話すのも苦手、だから私はいつもニコニコしていた。

「誰のシャルルを聴いてるの？あ、俺の名前はぺいんと、よろしくね千登勢さん」

この人はぺいんとらしい。。。。え？
ちょっと待って？ぺいんと？？？？

『え、今ぺいんとと言う人が歌っているシャルルを聴いているんですけど、、、』

これ以上ツッコミする？しない方がいいと思う。()

「あ！それ、俺が歌ったやつ。聴いてくれたんだ、嬉しい！」

ぺいんとさんは笑顔で言う。その笑顔は太陽のように。

『え、はい。歌が上手いなぁって思ってずっと聴いていたんです。妹が行方不明になった後も』

しまった。自分の事情なのに…

「ありがとう、妹って誰？」

私は事情を話した
妹の名前が春奈って事と、行方不明になった事も全て。そしてぺいんとさんは

「そうか、色々あったんだな。俺も妹ちゃんを探すよ。俺にも妹が居るからさ」

その言葉が誰よりも優しかった。