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私の顔を覗き込んだハルトは少しだけ眉根を下げた。


「俺には複雑な事情わかんねーけど、とりあえず勝負するしかないんじゃね?ここってそう言うところだろ?俺は食堂に行くよ。じゃ、またあとで」


ハルトは足早に食堂を目指して部室を出て行ってしまった。
...なんというか、ハルトのこういう単細胞なところには少し救われるところがある。好きに一直線なのはハルトのいいところだ。


「なーんか、勘違いしてたけど、別に悪い奴じゃないのねハルトって」

『あはは、勘違いされがちなんだよ』

「ねぇA、スグはさ変わっちゃったけど...Aだけは変わらず友達でいてあげて」


ゼイユは一層落としたトーンでそう言った。
私はゼイユに向き直ると大きく一つ頷いた。
そんなの...


『そんなの当たり前だよ。私はスグリが大好きなんだから。』






ついて行ってあげたいけどレポートがあるからとゼイユは
自室に向かっていった。最初の頃からは想像つかないほど甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるゼイユに少しだけ笑みが溢れた。


食堂に着くと机に肘をついたカキツバタさんがいた。
その横にはハルトもいる。


『カキツバタさん』

「ようA、立ち話もなんだし座りなよ」


彼の誘導通りに隣に座るとすぐに肩を抱いてくる。
この人、距離近いんだよなあ。なんなんだろう。
けれど今回はハルトも特に何も言ってこなかった。
それよりもじっとこちらを見て観察しているだけだ。


「うちの食堂ツバっさん的にオススメは学園定食!
全体的にやわらけえから噛まなくてもいいのよ...

さて、A。そしてハルト。
お前らポケモン強いだろ。その強さならブルベリーグテッペン目指せるぜ。

交換留学できてるやつが学園で一番になったらすげーおもしれえだろ?だからお前らにはブルベリーグに参加してほしいのよ」

『それは構わないですけ「お、おいでなすった」...あ』


話をしていると、目立つ4人が食堂に入ってきた。
まさに強者の風格そのものだ。
周りがざわざわと彼らに注目し出す。


「カキツバタ、話って何?」


スグリの静かなトーンが嫌に耳についた。
私とハルトは黙ってそれを眺めている。


「何もなにもさ、ここ食堂よ?一緒にメシでもどうよって
誘っただけなんだがねい」


私の肩に乗せてる腕がぐい、と引かれた。
ぴたりとひっつく肩と肩。私とカキツバタさんの距離はゼロになる。この人体温低いなあ、と呑気なことを考えた。

スグリは一瞬私を見て目を見開いた。

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設定タグ:スグリ , ポケモンsv , pkmn   
作品ジャンル:恋愛
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きゅんた(プロフ) - きっしーさん» 前半から見ていただいてありがとうございます(^^)♡また次回作もよろしくお願いします(^^)♡ (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 夏芽さん» 読んでいただきありがとうございます!キビキビパニックめちゃくちゃご要望多いです...!どう考えてもペパーとスグリとハルトの三つ巴戦争になりそうなのですが(笑)一回書いてみてお見せできそうなら公開しますね(^^) (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きっしー - この作品とても良かったです!前半から見ていてずっと好きでした!ありがとうございました! (1月24日 19時) (レス) @page39 id: 85d256f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
夏芽(プロフ) - 番外編のキビキビパニックも是非!! (1月22日 6時) (レス) @page39 id: 9ebd3fee2d (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - ルナさん» ヒロアカいいですね!実は10年くらい開設しているサイトなんですけど、マイボードの方にURL載せておいたのでそこからご覧になってみてください!ヒロアカ実は書いてたりするので。こちらのサイトでも何か思いついたら連載しますね! (1月21日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年12月11日 18時

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