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「そんなこと...うっ、
うわぁぁああああん!!」
私の背中に縋って思いっきり泣いたスグリ。
やっと、やっと素直になってくれた。
泣き虫で臆病で、負けず嫌いな私の大好きな人。
これでやっと言えるね...
おかえり、スグリ。
◆
長い長い調査もこれにて幕引き。
やっとブルーベリー学園に戻ってきて、ゼイユやハルトはひとつ伸びをしていた。
「あ゛ーつかれた!シャワー浴びてー!スキンケアしてぇ!」
「パルデア遠すぎよ...やっと帰って来れたわー!
ていうかハルト...あー、なんていうか...」
「なんだよゼイユ」
「テラパゴス、現れたとき...守ってくれて...」
「?」
「ッなんでもないわよ!!!」
「いった!殴んなよ!なんなんだよ!!」
そんなやりとりをする2人の後ろ姿を微笑ましく見守った。
案外お似合いの2人なんだけどなー、なんて思いながら橋を歩いていると、横から早歩きのブライア先生が「オモダカさんに連絡?いや出版社が先か?」と早口で私たちを追い抜いていった。
なんだかんだと絆が深まった調査だったかもなあ。
陽が頬を刺してくる。細波の音が耳を刺激して心地いい。
...
そんな声が聞こえて後ろを振り向いた。
俯きがちな彼の声を黙って聞いていた。
静かな橋がスグリの声を反響していてとても聞きやすかった。
意を決したような男の子の表情にどきりとした。
スグリの言葉はまっすぐでそれでいて心地いい。
両手をぐっ、と握りしめた私は朝日に照らされるスグリの顔を見つめた。
目を見開いた。
随分と遠回りした私たちだったけれど、ようやくスタートラインに立てたらしい。途端に私の頬が生暖かく濡れた。
駆け出した先はスグリの胸だ。
また2人で、ゼロから一緒に。
ゼロの秘宝
後編・藍の円盤
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きゅんた(プロフ) - きっしーさん» 前半から見ていただいてありがとうございます(^^)♡また次回作もよろしくお願いします(^^)♡ (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 夏芽さん» 読んでいただきありがとうございます!キビキビパニックめちゃくちゃご要望多いです...!どう考えてもペパーとスグリとハルトの三つ巴戦争になりそうなのですが(笑)一回書いてみてお見せできそうなら公開しますね(^^) (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きっしー - この作品とても良かったです!前半から見ていてずっと好きでした!ありがとうございました! (1月24日 19時) (レス) @page39 id: 85d256f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
夏芽(プロフ) - 番外編のキビキビパニックも是非!! (1月22日 6時) (レス) @page39 id: 9ebd3fee2d (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - ルナさん» ヒロアカいいですね!実は10年くらい開設しているサイトなんですけど、マイボードの方にURL載せておいたのでそこからご覧になってみてください!ヒロアカ実は書いてたりするので。こちらのサイトでも何か思いついたら連載しますね! (1月21日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年12月11日 18時