検索窓
今日:95 hit、昨日:58 hit、合計:72,463 hit

*32 ページ32

スグリとブライア先生が先に奥に消えていくのを見て、ハルトと目配せした。


「俺がせんせーとスグリくん見といてあげるよ」


ハルトも彼方に消えていく。
スグリはまだ私に負い目を感じているのだろうか。
ゼイユにチラリと視線を送る。

ゼイユも腰に手を当ててハー、と息を吐く。


「素直じゃないわねー」

『スグリ、ちょっとは喋ってくれるようになったと思ったんだけど。』

「まあそれ自体はそうなんじゃない?」

『...ゼイユ』

「なによ」

『私、スグリのこと好きなんだぁ』


お互い空洞の奥をぼう、っと見つめてそんな話をする。
ゼイユは少しだけ時間をおいてまた一つため息を落とす。


「なんだそんな事...
知ってるわよ。そんなこと。とっくの昔に。」

『友達としてじゃなくて...「だーかーら!知ってるわよ!
そんなのスグ見てたらわかるっての!

ほらさっさと行くわよ!!私もうヤバソチャしか残ってないんだから!なんかあったら守んなさいよ!

...こんな辛気臭いところさっさと出て、しっかり気持ち伝え合いなさい!じゃないと手ぇ出るよ!」』


私を振り返ったゼイユは意地悪く笑っていた。
彼女の顔はキラキラしていて、スグリとおんなじ色の瞳が
結晶の輝きを反射していてさらに綺麗に見えた。


...奥に進むと、更に結晶の面積が多くなった空間へ出た。


ハルトとスグリ、そしてゼイユが各々のテラスタルオーブを取り出している。


「テラスタルオーブが反応している?」

「すさまじいほど濃度の高いテラスタルエネルギー...!
この奥から放出されているのか!」

「...この奥から...」

「あっ、おいスグリくん!」


例の如くスグリが走り出して行って、それに続きブライア先生、ハルト、そして私、ゼイユという並びで更に奥に向かった。


「ゼロの秘宝...どこだ!?」

「スグリくんあれだ!奥の柱に何かある!」


キョロキョロと辺りを見回していたスグリと先生が
最奥にある柱まで駆け寄る。そこに埋め込まれたのは小さな小さな結晶の塊。


黄緑色、かな?


ブライア先生が確認をしている最中、更に結晶に近寄った
スグリがボソボソと何か呟いている。


「これが...ゼロの秘宝?

...ゼロの秘宝さえ手に入れば...今度こそ...



今度こそ!Aに勝てる!!!」


だんだんと声音が上がって行ってそんなことを言うスグリの後ろ姿を眺めた。ハルトはあーあ、と首を横に振っている。


「スグリくん...変なスイッチ入っちゃってんじゃん」

*33→←*31



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (184 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
470人がお気に入り
設定タグ:スグリ , ポケモンsv , pkmn   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きゅんた(プロフ) - きっしーさん» 前半から見ていただいてありがとうございます(^^)♡また次回作もよろしくお願いします(^^)♡ (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 夏芽さん» 読んでいただきありがとうございます!キビキビパニックめちゃくちゃご要望多いです...!どう考えてもペパーとスグリとハルトの三つ巴戦争になりそうなのですが(笑)一回書いてみてお見せできそうなら公開しますね(^^) (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きっしー - この作品とても良かったです!前半から見ていてずっと好きでした!ありがとうございました! (1月24日 19時) (レス) @page39 id: 85d256f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
夏芽(プロフ) - 番外編のキビキビパニックも是非!! (1月22日 6時) (レス) @page39 id: 9ebd3fee2d (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - ルナさん» ヒロアカいいですね!実は10年くらい開設しているサイトなんですけど、マイボードの方にURL載せておいたのでそこからご覧になってみてください!ヒロアカ実は書いてたりするので。こちらのサイトでも何か思いついたら連載しますね! (1月21日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きゅんた | 作成日時:2023年12月11日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。