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あの後、なんとかあおのディスクを使ってロックの解除を成功させた私たちはゼロラボに入ることができた。
"ゼロラボ内エレベーター行キ先ヲ ゼロの大空洞 ニ
変更シマシタ"
そんな不穏な声も聞こえてはいたのだけれど。
久々に足を踏み入れたゼロラボは前に来た時よりも暗い。
ゼイユが物珍しそうに駆け出していって盛大に頭をぶつける音が聞こえる。
「ねぇ!暗すぎよ!頭ぶつけたんだけど!」
「後先考えず走るからだよ!」
ゼイユスグリ姉弟の会話を聞いていると彼方からもガシャーン!と音が聞こえてくる。
「いってぇー!なんか変なので転んだんだけど!」
『何も考えずに走るからじゃん!』
まるでさっきの再放送かのように似たような会話が繰り広げられる。
うん、やっぱにてるわ。ゼイスグのところとウチ。
そんな会話を聞いてスグリはうんざりしたように見ているが表情は柔らかい。ゼイユはそんなスグリを見てふっと表情を緩めた。
「スグあんた...ちょっと元気出た?」
そんなゼイユの一言にハッとさせられた。
そうだよね、ゼイユはスグリのお姉ちゃんだから...
きっとずっと心配していたはずだ。
だからこうして今話せるだけでも嬉しいんだよね。
彼方から頭をさすりながら出てきたハルトに視線をやったスグリは
「うるさいな」と一言だけ返していた。
「あー、いちちちち。つか先生は?」
キョロキョロと辺りを見回すハルトの言葉を聞いて
そういえば...と私たちも辺りを見回した。
「あっちでめっちゃ物色してるわ」
ゼイユが指差すので、背後を振り返ると声高々にあちらこちらを行ったり来たりする先生の姿が。
「誰かの写真とかあったし、じっくり見ちゃダメでしょ...」
『ま、まぁそうだよね』
...スグリがあまりにも常識人すぎる。
毒気が抜けて、オドオドしなくなった事により
私と同じカテゴリに属するようになってきた。
あれ、キャラ被ってる!?
「ふーん、あんたたち、倫理的じゃん」
「別にいいだろ写真くらい」
対してあちらは倫理のかけらもないのかしら。
お互い姉弟には苦労するものだ。
「おーい、ブライアせんせー。
エレベーターこっちにあるよー。下に行きたいなら早く行こうぜ。」
「おお!下とね!
前回はこのエレベーターで例の部屋に行ったのかな?」
『えーどうだったっけ』
「んー確かこれじゃね?」
やはり私たち双子の記憶など当てにはならないな。
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きゅんた(プロフ) - きっしーさん» 前半から見ていただいてありがとうございます(^^)♡また次回作もよろしくお願いします(^^)♡ (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 夏芽さん» 読んでいただきありがとうございます!キビキビパニックめちゃくちゃご要望多いです...!どう考えてもペパーとスグリとハルトの三つ巴戦争になりそうなのですが(笑)一回書いてみてお見せできそうなら公開しますね(^^) (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きっしー - この作品とても良かったです!前半から見ていてずっと好きでした!ありがとうございました! (1月24日 19時) (レス) @page39 id: 85d256f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
夏芽(プロフ) - 番外編のキビキビパニックも是非!! (1月22日 6時) (レス) @page39 id: 9ebd3fee2d (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - ルナさん» ヒロアカいいですね!実は10年くらい開設しているサイトなんですけど、マイボードの方にURL載せておいたのでそこからご覧になってみてください!ヒロアカ実は書いてたりするので。こちらのサイトでも何か思いついたら連載しますね! (1月21日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年12月11日 18時