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ひゅうううう、と落ちていく感覚は慣れたものだ。

ぐっとお腹の方に力が入っていて
少し振り返るとスグリが不安そうにしている。


『スグリ、怖いの?』

「怖くない...大丈夫だし...」

『ふふ、そっか。もうちょっとだけ私に掴まっててね。』


明らかに顔が真っ青なのに強がるスグリが面白い。
男の子ってどうしてこう意地を張るんだろう。と、
心の中で不思議に思いながらゼロラボを目指した。


ボスン、と体に衝撃が走ってゼロラボに辿り着いた。
ハルトもそれは同じだったようで久方ぶりのゼロラボを
見上げる。


最初に声を上げたのはゼイユだった。


「なによここすっごい!てらす池みたい!」

「おそらくゼロラボかな?オモダカさんが教えてくれた外観と一致している。」

『そうですよ、ここがゼロラボです。』

「ここが、最深部?」

「ん、俺らが知ってるのはね。」


みんなが思い思いに口を開く。
私とハルトはこれ以上のことはわからない。
ブライア先生を見ると、「ある意味そうである意味違うんだ」と言った。


「かつてエリアゼロ観測隊が到達した最深部はここ。
そしてゼロラボ内の下の階には用途不明の謎の部屋があるとのこと。

だが、私が行きたいのはそれよりもっと下なんだ。」

「よく分かんないけどそのゼロラボっての?入ったらいいの?」

「...でもドア閉まってる。」


ブルーベリー組がそう喋っているのを横目に私はハルトに耳打ちした。


『ねぇハルト』

「ん?」

『ゼロラボってどうやって入ったか覚えてる?』

「それ俺も思ってたんだよ。完全に忘れた。」


かなり前の記憶だし、当時は必死だったからよく覚えてないのだ。


「ねぇ、A、ハルト。どうすんの?
前に入ったことあるんでしょ?」


2人で作戦会議してたら、ゼイユからこちらに投げかけてきた。やばい、なんか誤魔化さなきゃ。


『た、たしか〜パネル、操作した気がぁ』

「そうそう、ロック解除した気がぁ」


しどろもどろになる私たちを訝しげにみるゼイユの視線に耐えきれなくなりながらもあはは、と私たちの空笑いが切なく響く。


そんな中でより異色なことを言ったのがスグリだ。


「なんか...スパイみたい。わやかっこいい...」


全員でスグリを見る。...スパイ?
考えたこともなかったがなんだか場が和んで女性陣はにっこり笑顔だ。


ハルトはなぜだかしきりに首を縦に振っていて


「わかる、そう言う時期あるよな」


とスグリの肩に手を乗せて何かを噛み締めていた。

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設定タグ:スグリ , ポケモンsv , pkmn   
作品ジャンル:恋愛
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きゅんた(プロフ) - きっしーさん» 前半から見ていただいてありがとうございます(^^)♡また次回作もよろしくお願いします(^^)♡ (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 夏芽さん» 読んでいただきありがとうございます!キビキビパニックめちゃくちゃご要望多いです...!どう考えてもペパーとスグリとハルトの三つ巴戦争になりそうなのですが(笑)一回書いてみてお見せできそうなら公開しますね(^^) (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きっしー - この作品とても良かったです!前半から見ていてずっと好きでした!ありがとうございました! (1月24日 19時) (レス) @page39 id: 85d256f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
夏芽(プロフ) - 番外編のキビキビパニックも是非!! (1月22日 6時) (レス) @page39 id: 9ebd3fee2d (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - ルナさん» ヒロアカいいですね!実は10年くらい開設しているサイトなんですけど、マイボードの方にURL載せておいたのでそこからご覧になってみてください!ヒロアカ実は書いてたりするので。こちらのサイトでも何か思いついたら連載しますね! (1月21日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年12月11日 18時

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