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ディンドンダンドーン
まだ話の決着がつかないうちに、校内の放送ベルが鳴った。
みんなも音の方を仰いでいる。
ーー放送室より生徒のお呼び出しです。
リーグ部チャンピオンスグリさん、四天王トップカキツバタさん、3年2組ゼイユさん、交換留学中のAさん、ハルトさん...ブライア先生とお客様がお待ちです。
1年4組の教室までお願いします。
「もう、なんだってこんな時に...」
タロちゃんが首を横にふった。
突然の呼び出しを聞いて私とハルトは顔を見合わせた。
今ちゃんと顔を見たけれどなんだか目が充血しているような気がする。
『(気のせいかな)』
「スグリはもうチャンピオンじゃないのにねぃ」
「カキツバタ!そう言うのよくないと思います!」
「ブライア先生案件ならすっぽかすと後が面倒だ。
Aとハル坊は先行っといてくれい。
スグリのやつはオイラがおぶってでも連れていくからよ」
カキツバタさんの頼もしい一言を聞いて彼を見上げた。
おぶっていく、と豪語できるくらい体格のいい骨格の持ち主だと思う。ゼイユほど背はないけれど肩幅は男性のものだ。
一番身近なハルトは男性にしては背が低いほうだから、
背が高かったり、男性感が強いと慣れていなくて少しドキッとしてしまう。
『(スグリも細いしね...)』
いまだに項垂れているスグリをチラリと見て頭からつま先まで観察した。私と似たような背格好だと思っていたけれど、
あの日一番近くで感じたスグリは私よりも肩幅もあったし力もあったのだから不思議だ。
『(スグリとゼイユは姉弟な訳だから...
あと何年かしたらスグリも大きくなるのかな?)』
「なあに考え込んでんだよ、行くぞー」
思考がトリップしてたのをハルトの声で戻ってきた。
こちらの顔を覗き込んで眉を顰めている彼にごめんごめんと呟いて私たちは指示された教室に向かうのだった。
◆
「どもっすー」
カキツバタさんのゆるい声と共に扉が開いた。
ブライア先生はこちらに向き直るとにこにこしながらこう話を進めた。
「みんな来てくれたみたいだね!
本日君たちに素敵なゲストが会いに来てくださっているよ!
ただ、入れ違いで校内見学に向かわれてしまってね
すぐに帰ってこられると思うので先に私から話しておこう」
とりあえず座るように指示され私たちは適当に席に座る。
そういやここ学校だったな、忘れてたわ。
「そういやここ学校だったな、忘れてたわ」
ハルトも同じこと言うので苦笑する。
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きゅんた(プロフ) - きっしーさん» 前半から見ていただいてありがとうございます(^^)♡また次回作もよろしくお願いします(^^)♡ (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 夏芽さん» 読んでいただきありがとうございます!キビキビパニックめちゃくちゃご要望多いです...!どう考えてもペパーとスグリとハルトの三つ巴戦争になりそうなのですが(笑)一回書いてみてお見せできそうなら公開しますね(^^) (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きっしー - この作品とても良かったです!前半から見ていてずっと好きでした!ありがとうございました! (1月24日 19時) (レス) @page39 id: 85d256f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
夏芽(プロフ) - 番外編のキビキビパニックも是非!! (1月22日 6時) (レス) @page39 id: 9ebd3fee2d (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - ルナさん» ヒロアカいいですね!実は10年くらい開設しているサイトなんですけど、マイボードの方にURL載せておいたのでそこからご覧になってみてください!ヒロアカ実は書いてたりするので。こちらのサイトでも何か思いついたら連載しますね! (1月21日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年12月11日 18時