スグリくん、あなたが望むなら。II

＊3 ページ3

聞き間違ってないならダブルバトルって聞こえたんだけど。


「はい、ダブルバトルです」

『は、ハルト...ダブルバトルってやったことある？』

「あれじゃん...！フリッジタウンのジムリ」

『ライムさんのときだけだったよね？うちの子たち大丈夫かな...？ま、マリルリ〜』

「リル？」

『ダブルバトルだって...！できる？』

「リル〜！」


当たり前にやる気だ...物理アタッカーの私の相棒のマリルリ
火力は申し分ないけど...


『サブウェポンとかサポートのある子がいないんだよなあ』

「わかる俺ら高火力アタッカーで上から殴る戦法しかとらん」


2人で作戦会議を練る。
ええいもうどうにでもなれだ。


『やるよ...やってやる』

「ふふ、そのいきです！いきますよ！」


▼ポケモントレーナーの タロが
勝負を しかけてきた！




◆



▼ポケモントレーナーの タロとの
勝負に 勝った！



『ゼェ、ゼェ...か、勝てた！』

「いや上から殴っただけ！」

『てだすけってなに？そんな技あったのね...』

「圧倒されちゃいました！すごいお上手ですね！」



とりあえずは勝利を収めたけど、これは前途多難では？
続けてハルトも勝負をして一応勝てはしたものの
私たちは早くもダブルバトルの洗礼を受けたのだった。



ーーその後、制服の支給をしてもらって
こうして晴れてブルーベリー学園の一員となる。


「ここがテラリウムドームです」

「うっひょおおおい！見たことねえポケモンばっかじゃん！」

『あ、こらハルト！あ...行っちゃった』

「ハルトさんとAさんは双子なのに全然性格が違うねー
」


タロちゃんの説明も待たずにそこら辺を闊歩しだすハルト。
そんな様子にシアノ先生が笑いながらそう言った。


『ハルトは昔から...元気よくて...あんな感じですいません』

「うんうん元気なのはいいことだよ」

「えっと...一応確認ですけど、ハルトさんは男の子ですよね...？」


タロちゃんも遠慮がちにそう聞いてくるので一つ頷いた。


『歴とした男です...』

「出立ちが可愛らしいから戸惑っちゃいました」

『あれは彼の趣味です』


昔はそんなことなかったのにいつの間にやら立派な女装家へと変貌を遂げた片割れ。パルデアでついたあだ名は「ウェーニバル使いの桃乙女」だ。


『あれはほっといても適当にやるので大丈夫ですよ』

「テラリウムドームは自分で歩くのが醍醐味ですからね」


タロちゃんがフォローしてくれる横で力無く微笑んだ。

＊4→←＊2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す