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わざわざ言わなくてもいいのに、とそんなことを思う。
次いでこちらに歩いてきたカキツバタさんは
「やったなキョーダイ!」
と満面の笑みを浮かべている。
「今からAがブルベリーグの新チャンピオンだ」
『あ、は...はい。けどスグリは、』
「......スグリよう
オマエに勝てなかったオイラが言うのもなんだけどよ
前みたいに楽しくやろうや
勝ちにこだわれんのはすげぇいいことだ
誰だって勝ちてえは勝ちてえ
でもよ...こだわりすぎて自分の首締めんのは違うだろ
見てるこっちが苦しいぜ
だからよ、またみんなで「......けない」」
カキツバタさんの声を遮ってスグリは言葉を続ける。
『スグリ...』
「負けない...こ、今度こそ俺が勝って...
次こそ......絶対...」
『スグリ...、あのね聞いて...
私すっごく楽しかったよ!こんな試合をしてくれてありがとう。また何回でも何度でも勝負はできるから。
...またやろうね。』
「A...俺...おれ...うぅう...」
「あーあ」
がっくり項垂れてしまったスグリにこれ以上声をかけることはできなかった。視線だけがスグリを追っていると、
「あのー」と、控えめで可愛らしい声が飛んでくる。
「ちょっとー、よろしいでしょうか?」
『?』
「ええとまずはAさん、チャンピオンおめでとうございます!本当に凄かったです!
普通ならお祝いしたいんですが......
今のこの状況は私たちには複雑で、ちょっと整理しないとなんです。」
「整理ぃ?」
「だってそうでしょう!Aさんがチャンピオンになったらリーグ部の部長ってことで留学生なのに異例だけど
今後の方針はどうするの?とか!?
あれとか これとか とかとか いろいろ!」
「お、おう...」
タロちゃんの剣幕に若干引き気味のカキツバタさん。
タロちゃんはカキツバタさんに対して当たりが厳しいんだなあ。と思いながら彼らの会話を適当に聞き流す。
「それにスグリくんがチャンピオンから四天王に降りてくるならランク的にはアカマツくんが都落ちだし...」
「え!?オレそうなの?ヤバイじゃん!」
そっか、勢いでチャンピオンになっちゃったけど、
色々と決め事が多いんだなと思った。
タロちゃん真面目そうだしね。
「ん、てか俺も四天王になるならネリネさんもやばくね?」
「ネリネも...降格...」
「あ、そうでした!ハルトさんもでしたね!
その点も踏まえてスグリくんがどうしたいかちゃんと
気持ち聞いておかないと」
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きゅんた(プロフ) - きっしーさん» 前半から見ていただいてありがとうございます(^^)♡また次回作もよろしくお願いします(^^)♡ (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 夏芽さん» 読んでいただきありがとうございます!キビキビパニックめちゃくちゃご要望多いです...!どう考えてもペパーとスグリとハルトの三つ巴戦争になりそうなのですが(笑)一回書いてみてお見せできそうなら公開しますね(^^) (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きっしー - この作品とても良かったです!前半から見ていてずっと好きでした!ありがとうございました! (1月24日 19時) (レス) @page39 id: 85d256f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
夏芽(プロフ) - 番外編のキビキビパニックも是非!! (1月22日 6時) (レス) @page39 id: 9ebd3fee2d (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - ルナさん» ヒロアカいいですね!実は10年くらい開設しているサイトなんですけど、マイボードの方にURL載せておいたのでそこからご覧になってみてください!ヒロアカ実は書いてたりするので。こちらのサイトでも何か思いついたら連載しますね! (1月21日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年12月11日 18時