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カキツバタ先輩に向き直ると向こうから足音が近づいてくる。あれ、もしかしてあの紫の髪の毛って...
『スグリ?』
「いい加減待ちくたびれたよ。Aにしては
ちょっと遅いよな...四天王倒すの」
『む、ポケモン捕まえたりBP集めながらだもん。
妥当だと思うけど。』
「...スグリよう、よっぽどAが気になるんですねぃ?」
「カキツバタこそ...やけにAに肩入れしてるんだな」
「そりゃあ、一目惚れだからねい」
カキツバタの発言を聞いて目を丸くした。
彼は私の方にとことこやってきて両肩に手を置いた。
「オイラが勝ったら言うつもりだったけど、
負けちまったのにそれはカッコ悪いだろぃ?
今は言わねぇけど、諦めたつもりはないからねぃ。」
優しく笑いかけてくるカキツバタさんを見上げた。
意外とまっすぐに言葉をくれる人なんだな、と
少し頬が熱くなる。
そんな中
突然ぐい、と腕を引かれて小さな胸の中に収められる。
少年特有の線の細さと胸板の薄さだ。
「あんま触んなよ」
「おーこわいこわい。けどお前たちただの友達だろぃ?
ならオイラだって付け入る隙はあるよな」
『あ、あの...お取り込み中悪いんですけど、
これでやっとスグリと勝負できると思うと、ワクワク止まらなくて...正直今すぐにでもバトルしたいと言うか...
ハルトも待ってると思うし』
控えめに手を挙げて発言をする。
2人は一瞬きょとんと目を見開いて、次いでカキツバタさんは高らかな笑い声を、スグリははぁ〜と息を漏らして声を荒げた。
「ほんっとバトルバカ!!!」
「ははは、こりゃあいいや!オイラとやった後にもうバトルのこと考えてんのかい!」
『だってスグリもたのしみでしょ?』
「そうだな、どっちが強いか決着つけよう」
◆
「チャンピオン戦の公式戦はここから申請すんだ」
カキツバタさんに言われてバトルフロントまで来ると、私より早めに申請に来たハルトがこちらに手を振っていた。
「ふは!A!やったな!四天王撃破!
後はスグリくんだけっしょ?俺の方が申請早かったし
俺が先にバトってくんね!」
「おーおーハル坊は元気がいいなぁ」
『順番はそれでいいけどこれハルトが勝っちゃった場合ってハルトがチャンピオンになるわけだから...
私ハルトと試合することになるよね!?』
「まーそういうことだな。オイラはそれでも面白いからいいけど。」
カキツバタさんが伸びを一つして、あんまり興味なさそうに言うからがっくし項垂れた。
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きゅんた(プロフ) - きっしーさん» 前半から見ていただいてありがとうございます(^^)♡また次回作もよろしくお願いします(^^)♡ (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - 夏芽さん» 読んでいただきありがとうございます!キビキビパニックめちゃくちゃご要望多いです...!どう考えてもペパーとスグリとハルトの三つ巴戦争になりそうなのですが(笑)一回書いてみてお見せできそうなら公開しますね(^^) (1月27日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
きっしー - この作品とても良かったです!前半から見ていてずっと好きでした!ありがとうございました! (1月24日 19時) (レス) @page39 id: 85d256f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
夏芽(プロフ) - 番外編のキビキビパニックも是非!! (1月22日 6時) (レス) @page39 id: 9ebd3fee2d (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - ルナさん» ヒロアカいいですね!実は10年くらい開設しているサイトなんですけど、マイボードの方にURL載せておいたのでそこからご覧になってみてください!ヒロアカ実は書いてたりするので。こちらのサイトでも何か思いついたら連載しますね! (1月21日 0時) (レス) id: 032da0ee49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゅんた | 作成日時:2023年12月11日 18時