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“ 今日の運勢ランキング１位は、水瓶座のあなた。運命的な出会いがあるかも？ラッキーアイテムはぬれおかき。”
自分の部屋に忘れた鞄を代わりに取りに二階へ向かった廉を待っている間、先程とは打って変わって明るいナレーションとBGMに再び視線をテレビに戻す。
番組終盤の占いコーナーか。 別に占いに特別興味なんてないけれど、つい目にしたらなんとなく気になってしまうものだ。信じないと言っておきながら、自分の順位が良ければ都合よく鵜呑みにするタイプ。
因みに私も廉も同じ１月生まれの水瓶座。
『なんやねん、この変な占い。ラッキーアイテムがぬれおかきとか聞いたことないわ。』
いつの間にかリビングに戻ってきた廉が口を挟み、馬鹿にしたように笑う。
まぁ、言いたいことは分からないでもない。そもそもぬれおかきってどんなのだっけ。
なんて、どうでもいいことを頭に巡らせていると時刻は八時を回っていた。ふたりして慌てて玄関へ足を急がせる。
『次の休み、新しい靴買いに行かんとな。休みの間に気づいとったら良かったわ。ごめんな。』
「全然いいよ。まだ履こうと思えば履けるし。」
『あかんやろ。女の子なんやし綺麗なもん身につけな。丁度、バイト代入ったばっかやし好きなの買ったるから。』
あまりにも指摘してくるものだから、改めて自分の靴に目をやると、廉の言う通り思いの外汚れは目立ち随分と年季が入っている。ただ限界まで履こうと思えば、まだギリギリ使い物にはなる。
それでも横に並べられた、母が新学期に合わせて買ってきたピカピカに磨かれた廉の新品の靴と比べれば状態の差は明らかだ。
A型の几帳面で綺麗好きな母。毎日まめに玄関を掃除していて、私の靴の廃れだけ気づかないはずがない。
ー『A、新しいワンピース買ってきたわよ。』
優しい笑みを浮かべたママが着てみて、と私に促す。
洋服だって、アクセサリーだって、ぬいぐるみだって。昔はよく私を買い物に連れて行ったり、母は何だって強請ったものは買い与えてくれた。
『本物のお人形さんみたいね。』リボンやフリルをあしらった女の子らしい物を身に纏わせては、褒めちぎられる。
ずっと娘をもつことに憧れていた母は、今の廉に負けず劣らず私を異常なくらい溺愛した。
私もまた、優しくてよく笑うママが大好きだった。
ねぇ、ママ、パパ。私どこで間違えたかな。
いつからだろう。
両親が私を擯斥し、空気として扱うようになったのは。
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恋(ren)(プロフ) - sakiさん» ありがとうございます。マイペースな更新になりますがお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年3月18日 4時) (
レス) id: 4779cb5bc5 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！続き楽しみにしてます♪ (2020年3月17日 23時) (レス) id: 6230179af3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋(ren)
| 作成日時：2020年2月15日 0時
