検索窓
今日:6 hit、昨日:18 hit、合計:142,153 hit

39 ページ40

.





近くの警察署に連絡をし、男達の身柄を受け渡し終わって、私達はまだ固まっている男の子に近づいた。




「もう大丈夫よ」

「…」

「怖かったなぁ」




濱田先輩の優しい優しい笑顔は緊張していた心と身体を溶かしたようで、大きな瞳にうるうると大粒の涙を浮かべた。




「け、警察の方だったんですね…本当にありがとうございました」




深々と頭を下げる男の子




「君にも少し話を聞かなきゃいけないの、時間ある?」

「はい…」




ベンチに移動すると、意外にも先に口を開いたのは男の子の方だった




「あ、あの…」

「?」

「お姉さんは、あの2人怖くなかったんですか…?」




僕はいつも怖くて仕方ないのに、と男の子は言う




「んー、正直に言うと、怖いとか言ってられないっていうのが本音かな?w」

「…」

「だって、君から助けてって聞こえたから」




すると、男の子の隣に腰かけた私の隣に立っていた濱田先輩が、私の肩に手を置いた




「こいつ、あんな奴らに負けるところなんて想像出来ないくらい強い子だよ」

「す、すごい…」

「警察にはあんな奴らより怖い人たちがいっぱいいるからね?w」

「あはは、」




良かった、笑ってくれた。
笑うと見える八重歯が可愛い。




「君、名前は?」

「西畑大吾です」

「年齢と学校名は?」

「17歳の高校3年生で、学校は西高校です」

「西高校って…、すぐそこじゃない?」

「はい」




学校の目の前でカツアゲか。
完全に学生をターゲットにしてたってことね。




「西畑君は未成年だから、ご両親と学校に連絡しないといけないの、もし家が近いなら送ってくついでに直接こっちからお話しちゃうけど…」

「あ、いえ、今僕一人暮らしで…、親は大阪にいるので家の電話番号言います」

「え、西畑くん、大阪出身なん?」

「え、関西弁…」

「俺も関西出身やねん、兵庫やけど」

「だから西畑君も緊張しないで関西弁でいいよ」

「なんか…めちゃくちゃ安心しました…」






どうやら、私の周りは本当に関西人が多いみたいだ






.







.

40→←38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
475人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。