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「先輩、あれ…」
「…ったく、行くぞA」
「はい」
車を端に留め、早歩きで向かう
「白昼堂々よくやったね、いくらいるの?」
濱田先輩と調査に向かっていた道中、小さな公園で1人の男子高校生が体格の良い男と、それに比べたら細身の男にジリジリと追い詰められていた。
何か良くない雰囲気を感じ、先輩と近づいていくと少しずつ聞こえてきた会話は
“ も、もうお金無いですっ”
“ ほんとは持ってんだろ”
“ ほら、ジャンプしろって ”
典型的なカツアゲだった。
気温が高い今日は暑い。
ジャケットは車の中、ワイシャツの袖を数回まくりながら私は追い詰められている男子高校生の壁になる形で2人の前に入り込んだ。
「は、何だお前」
「お姉さんには関係ないからね〜」
舐めくさった口調で、細身の男が私の腕をやんわりと引いてどかそうとする。
生憎、そんな力は私には通用しないが。
「は、ビクともしねぇじゃんw」
「ほらほらお姉さん、綺麗だけど人の邪魔しちゃダメっすよぉ〜」
今度は体格の良い男が私の腕に触れる。
その一瞬、『いてて、』という声に変わる。
「はいはい、触らないでくれるか〜」
男の腕を視線で追うと、濱田先輩が体格の良い男の腕をしっかりと掴んで私から離していた。
その隙に、逃げないように私は細身の男を取り押さえる。
「痛ぇな!離せよ!」
「お前らには関係無ぇだろうがよ!」
「金もらって何が悪りぃんだよ!」
「そうだよ!」
振り返ると追い詰められていた男の子はカバンをぎゅっと抱いて不安そうに様子を見ていた。
色白で、随分と可愛い顔をしている。
「ねぇ君」
「は、はいっ」
「同意の上でお金を渡してるようには見えなかったけど、どうなの?」
「同意の上なんて絶対無いです…!お、脅されていたので…」
もう大丈夫だよ、という意味を込めて
「分かった、ありがと」
少しだけ笑顔を見せると、ホッとした顔になった。
「とりあえず、お前ら話聞かせてもらうからな〜」
「は?」
先輩は両手が塞がっていたので私がポケットからその証拠を出す
「私達、こういう者だから」
男達に突き付けた警察手帳の威力は抜群だったようで、2人はすっかり大人しくなった。
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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時