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淳太も照史も、本当に私の職業を理解してくれている。
仕事の電話だと分かると、今のように聞かないようにしてくれる。
私たちの電話には機密事項が多いからである。
もちろん、普通に聞いていたら事件の事を話しているようには思えないように、様々な隠語を織り交ぜて話しているが、それでも2人は距離を置いてくれる。
刑事には秘密にする義務があり、事件のことも詳しくは話すことができないが、それも快く理解してくれている。
それどころか、『解決してくれてありがとう』なんて言ってくれる。
「仕事の電話?」
「あ、うん、そう。必要なデータがあるから送ってくれって」
「休みなのに大変やな」
「まぁねw」
「パソコンあるん?」
「うん、明日から休みだからパソコンもメモリーカードもあるよ」
隣に並んで空を見ている淳太をよく見てみると、今日も夜はしっかりと冷えた冬なのに上着を着ていなかった。
そうか、このカーディガンは淳太のだ。
「淳太部屋戻ろ。カーディガンありがとう」
「いーえ」
カーディガンを渡そうとすると、またぐるりと肩にかけられる。
手をこすりながら先に部屋に入った淳太に続いて私も部屋に戻った。
「おやすみ」
「うん、おやすみ」
結局、カーディガンは最後まで私の肩にかかったまま。
データも送り終わり、もう1度ベッドに入ると冷たくて。
何となく寂しいなんて、そんなことを思った私はカーディガンに袖を通したまま目を閉じた。
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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時