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「おはよ」
肩を優しく揺らされて、ゆっくりと目を開けると明るい景色が目に入る。
「……ぉはよ」
「朝飯、出来てるで」
「………ぅん、」
私を起こしに来てくれたのは淳太で、隣に敷いてある布団を見ると照史がいない。
きっと朝ごはんを作ってくれたのは照史だろう。
「はは、」
突然笑った淳太が不思議で、今にも閉じそうな瞳をこじ開けると、何だか淳太の顔が甘かった。
「それ、着たまま寝たん?」
朝は声が出ないタイプの私。
コクン、と頷くと頭に乗った淳太の手。
私は淳太にも照史にも、ご飯作ってもらったり色々と甘えているし、甘やかされている。
ただ淳太は、まるで彼女にしてもおかしくないような事をする。
今みたいに、頭を撫でたり。
「ほーら、起きて」
グイン、と腕を引かれて起き上がる。
リビングでは照史が『お姫様〜起きや〜!』なんて言う。
「ほら、お姫様起きや、だって」
「ぅん……」
「リビングで待ってるで」
“ 鉄の女 ” と言われる私が唯一の弱いのは朝。
朝のこの時間が終われば、麻薬取締官の鉄の女が完成する。
私はそっとカーディガンを羽織り直した。
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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時