検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:142,126 hit

14 ページ15

.





.





「おはよ」



肩を優しく揺らされて、ゆっくりと目を開けると明るい景色が目に入る。



「……ぉはよ」
「朝飯、出来てるで」
「………ぅん、」



私を起こしに来てくれたのは淳太で、隣に敷いてある布団を見ると照史がいない。
きっと朝ごはんを作ってくれたのは照史だろう。



「はは、」




突然笑った淳太が不思議で、今にも閉じそうな瞳をこじ開けると、何だか淳太の顔が甘かった。




「それ、着たまま寝たん?」




朝は声が出ないタイプの私。
コクン、と頷くと頭に乗った淳太の手。


私は淳太にも照史にも、ご飯作ってもらったり色々と甘えているし、甘やかされている。


ただ淳太は、まるで彼女にしてもおかしくないような事をする。


今みたいに、頭を撫でたり。




「ほーら、起きて」




グイン、と腕を引かれて起き上がる。
リビングでは照史が『お姫様〜起きや〜!』なんて言う。




「ほら、お姫様起きや、だって」
「ぅん……」
「リビングで待ってるで」




“ 鉄の女 ” と言われる私が唯一の弱いのは朝。
朝のこの時間が終われば、麻薬取締官の鉄の女が完成する。


私はそっとカーディガンを羽織り直した。






.






.

15→←13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
475人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。