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目覚めると、手を繋いだままだったことに気づいた。
「おはよ、」
まだ寝ているみたい。まつげ長いなぁ。
1本抜けて瞼の上にあるやつを指で取ろうとすると、ぱちぱちっと目が開いた。
勝利「うわっ、びっくりした。何してんの？」
「あーごめんおはよう」
勝利「おはよう」
私が肘をついて、勝利を見下ろしてるみたいな体制から、不意に頭を引き寄せられて不意に触れる唇。
「･･･も、」
そのままドサッと横に転がった私を見て勝利がビックリする。
勝利「どうした？大丈夫？」
「いや、ちょっと･･･」
「色々すごすぎて、頭の整理がつかないでいます…」
やっと顔を上げた私を見た勝利はちょっと吹き出した。
「笑わないでよ」
勝利「なんだ、照れてるなら素直に言いなさいよ」
ぷいっと反対を向くと、窓の外に1羽のスズメが来ているのが見えた。
「あ、かわいい」
ベッドを抜け出して窓際によると、そのスズメはベランダの縁のところをぴょんぴょんしていた。
「こんな近くに来るなんて珍しいなー」
勝利「ほんとだ」
振り向くと、勝利はにひひっと笑っていた。
寝起きの匂いも、寝癖も、使い古したスウェットも前と変わらないけど、
それがいい。それでいい。
私を大切に思ってくれていて、私も大切に思っている。
それってすごく、素敵なことだと思う。
「あーぁ、バイト行きたくない」
勝利「え！今日Aバイト？」
「うん」
勝利「だーめ！行かせない！
そういうバイト禁止」
「え、なんでよ急に」
勝利「前にも言ったじゃん！」
「だってもう、そんなすぐやめらんないしー」
勝利「すぐ辞めさせてやる！絶対！」
「えー( ´∵｀)」
お金のためには辞めたくないけど、心配してくれて嬉しかったりもする。
だから、二度寝しよーってベッドに戻っていく背中を見て、とっても幸せだった。
これからもずっとよろしく。
そしていつかは直接「好き」って言って貰えるように、「好き」って言えるように、頑張らなきゃな、と心に決めたのだった。
fin
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作者名：みよ | 作成日時：2019年2月3日 14時
