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そのＣＤの箱の横には、お手紙ボックスがあった。
部活の先輩からの手紙とか、同期からの寄せ書きとか、勝利が小学生の時にくれた変な折り紙とかが、色々入ってた。
「あ、なつかしい」
高校の時にやってた剣道の大会で優勝した時に、先輩とか同期がくれた手紙の中に、菊池先輩からの手紙があった。
確か、おめでとう、ってチョコレートと一緒に手紙を渡してくれて、
大好きな先輩にそんなものを貰えて嬉しくてたまらなかったな。
読み返そうと思って封を開けると、菊池先輩の香水の香りが、ちょっとだけしたような気がした。
手紙は先輩から後輩に向ける激励の手紙って感じの文だったけど、1個だけ気になる表現があって。
「辛いこともあるかもしれないけど、その頑張りを見ている人はいる」
普通に思える表現だけど、冷静になって見てみると、菊池先輩、私のことをいつも見守ってくれていたのかな。なんて思ってしまう。
いや、自意識過剰に過ぎないだろう。
後輩に向けてこんなメッセージを送るのは全然不思議じゃないし、
それにあの当時菊池先輩はモテモテで、多分今もモテモテだろうけど、私なんて眼中になかったはずだ。
なんだかしんみりとした気分になり、手紙を箱に戻すと、勝利から貰った折り鶴にも見えないような鶴がポロリと床に落ちた。
「なにこれ、ツルも作れないなんて、勝利らしい笑」
今度本人に返してあげようと私はそのツルをポッケにしまった。
その時家の電話が鳴って、私は急いで走っていった。
「もしもし」
母「もしもし、久しぶり」
「お母さん」
久しぶりにお母さんから電話が来て、なんだか不思議な気分になる。
母「元気？今度そっち行こうと思ってるんだけど」
「あ、ほんと？今度っていつ？」
母「えっと、来週中かな、、」
「嘘？え？早くない？」
母「いいじゃない、お父さんもちょうど連休取れたし。
そう言えば勝利くんは元気？」
「元気だよ。家近いのお母さんも知ってるよね」
母「知ってる。だから、Aの家、勝利くんの家の近くにしたのよ」
「え？そんなの知らなかった！
ってか、私自分で物件決めたつもりだったのに」
母「実は私が不動産屋に候補を送ってたのよ」
「え、もう、勝利がいなくても私は大丈夫なのにー」
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作者名：みよ | 作成日時：2019年2月3日 14時
