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昨日は後片付けが大変だったし、マリウスは帰っちゃうしで散々だった。
だから寝不足で、授業中に足りない睡眠を補充していた。
それなのに、膝の上に置いた携帯電話が鳴り止まなくてうるさい。
しょうり:髪染めようと思うんだ
しょうり:ブリーチしよっかなー
しょうり:どう思う？
横目でケータイを見て、眠いなぁと思いながらもなんとなく返信をする。
A:勝利ならなんでも似合うと思う
すると直ぐにスタンプが返ってきた。
「しょうり、嬉しい
って何このスタンプ、100ポイントも貯めて買ったのかな…笑
かわいい笑」
ふふ、と頬が緩んだところを教授に見つかって変な目で見られた。
慌てて背筋をぴんと伸ばす。
でもまた眠くなってきて、寝てしまった。
夢を見た。
私は酔っ払っていた。
そして、誰かの背中がすぐそこにあった。
私はおんぶされているみたいだった。
「ここでおろすよ」
やだ、行かないで
そう言う私を無視して、その人はつかつかと歩いていってしまった。
悲しくて寂しくて涙が出た。
1人になって怖くて、1番頼りたい人の名前を呼んだ。
「·····しょうり·····」
『日清戦争で勝利したのはどっちですか？』
パチン、と世界が明るくなって
はっと目を覚ますと広い教室の中、私と教授だけがいた。
『睡眠学習できてるなら今度の試験もバッチリね』
「ぁっ、わぁ、すみません」
そそくさと準備をして立ち上がる。
中国史担当のそのおばちゃん教授は少し笑って、
もう3限始まるよ、急ぎなさいと促した。
走りながらぼーっとする頭で考えた。
勝利の名前を呼んだのは何故だろう。
なんだかんだで頼ってしまうのはやっぱり·····
その答えを飲み込んで、私は次の教室へ走った。
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作者名：みよ | 作成日時：2019年2月3日 14時
