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無口くんの綺麗な瞳にじーっと見つめられて、私は動けなくなった。
「な、なんでしょうか」
しばらく私を見つめた無口くんははっと我に返って頭を下げた。
『すみません、なんでもありません』
通った鼻筋に、クリクリした目。
顔はちっちゃくてスタイルもいいのに地味な服装。
やっぱりマリウスが見せた雑誌のあの人に似ていた。
中島健人さんって名前だったよな。
·····気になる。
くるりと店内を見渡して、また席に着いた健人さんは、コーヒーを一口飲んで、新聞を開いた。
まるでここを普通のカフェのように使っている。
まあ、近づくなオーラムンムンの健人さんに接客しにいくメイドなんていないのだが。
マリ「こんにちは〜。いらっしゃいませ！
いつもご利用ありがとうございます」
いた。
あそこに怖いもの知らずのメイドが！
健人さんの横にちょこんと座ったメイドのマリコは覗き込むように健人さんに顔を近づける。
やっぱりマリウスは男の子だからだいぶガタイが良くて健人さんと並んでもなんか同じくらいというかむしろ背が高そう。
健人「あのさ、」
急に新聞から目を逸らした健人さんがマリコに何か耳打ちする。
その瞬間マリウスは顔を真っ赤にして私のところへ走ってきた。
「な、っどうしたの？」
マリ「やばい！あの人！怖い！」
「変なこと言われたの？」
青くなっているマリウスを裏に連れて行って肩を掴むと彼は弱々しく答えた。
マリ「お前男だろって言われた、、
無理、もう僕このバイト出来なぃー」
「はぁ？まじ？
わ、分かったもうとにかくあんたは今日は帰りなさい。
他の人にはバレてないから？ほら、大丈夫大丈夫帰りなさい。
よしよし」
泣きそうなマリウスを慰めて私は表に戻った。
何事も無かったかのようにコーヒーを飲んでいる健人さんを見て、面白い人だな、と思った。
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作者名：みよ | 作成日時：2019年2月3日 14時
