まよなかのシャイボーイ shori.s (ページ3)

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「もしもし」

勝利「もしもし」

「うるさい」

ガチャっ

電話切ってやった！

イエーイ！

今頃豆鉄砲くらったひよこみたいな顔してるんだろうな。
いつもひよこみたいな顔してるけど。

これでまた仕事に集中出来そう。

ついでにメイクも直してトイレを出た。

瞬間。

「ひぃ...！？」

勝利「...」

トイレを出た瞬間、スーツ姿の勝利がいた。

普段は着ないような私のベージュのスカートを見下ろして一言。

勝利「量産型女子かぁ。悪くないと思うよ」

「え、なんのこと...てかなんでスーツなのそっちは、、」

勝利「俺、火災保険会社のインターンしてるじゃん。ここと契約結んでるから、視察」

「てことは、仕事...？」

勝利「もう終わったけど。」

「てっきり勝利の方はデートかと、、、日曜だし」

勝利「Aオジサン好きなの？デートしてたけど」

「あれはその、バイトだって」

今まで内緒にしていたが変に隠すとめんどくさいのでメイド喫茶のことを話した。

勝利は笑うと思ったが返ってきたのは意外な反応だった。

勝利「あのさ、Aのお母さんにさ、Aのこと見といてって頼まれてるのね。俺は。
だからさ、あんまりこういう仕事しないで欲しいんだけど。」

「え、あ、ごめんね...」

勝利「とりあえず早く戻んなよ。せっかく半日分働いたのにお給料俺のせいでパーになるとかやだし」

「あ、うん。ごめん」

勝利「早く行ってくださーい！」

ポンと背中を押されたので私はその場を後にした。

なんか、お客様とじゃなくて、勝利と夢の国回った方が楽しいのかも、なんて思ってしまった。

結局ディスられてばかりの関係性なのに一緒にいると楽しいのは波長が合うからなのだろう。