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「……あ、れ？ 五条のお兄さん？」
五条「おっ、覚えてくれてたんだ。
…会うの何年ぶりかなぁ。久しいね。」
目の前に現れたのは五条悟さん、
昔、私の家のお隣に住んでいた近所のお兄さんだった。
「五条のお兄さん、どうしてここに…？」
五条「君のお父さんとお母さんが亡くなったって
聞いて。せめて線香だけでも、って…」
そう言いながら、父と母の遺影を眺める
彼の顔は心底悲しい顔をしていた。
私を見つめる五条さんの目は相変わらず綺麗で、
思わず涙が出てきてしまう。
「ごめっなさいっ…ちょっと涙がっ…」
五条「気にしないでよ。本来君はそうやって
泣くべきだろ？」
温かくて大きな手で宥められて
自分自身情けないなって思ったけど、
五条のお兄さんの言葉は真っ直ぐで、
だからこそ頼ってしまって、
…それは昔も今も変わらなかった。
五条「…Aはこれからどうするの？
家は…？」
「えっと、親戚の人達、私を引き取るの
ちょっと難しいみたいで…」
(ていうか、引き取りたくないって感じがするけど…)
五条「なら僕に引き取らせてよ。
隠してる腕の傷、とか色々知ってるのは僕だけだから。」
いいのだろうか？
最初頭に走ったのは驚き、次には五条のお兄さんに
甘えてしまいたいという気持ち。
でも、周りの皆は難しそうにしてたのに
こんなにあっさり…
本当に、いいの？
そんな私の思考を読み取ったかのように
彼は微笑んだ。
五条「キミが心配することじゃないよ、
家においで。」
「お願い、します…」
彼の甘い誘惑にハマっていったのは
自分からで、そこから抜け出せなくなったのも自分のせいだ。
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作者名：tsuki | 作成日時：2020年11月28日 21時
