第22話 これは喧嘩じゃありません ページ23
NOside
貴『…んでまあ、10歳の頃両親がぽっくりと死にまして。』
またさらりと凄いことを言ってくるA。
森羅もアーサーもこの話は聞いているし、桜備達も履歴書からその事は知っている。
けれどあまりにも軽く持ち出されたその話題に驚きは隠せなかった。
貴『簡潔に言って、私を守ってくれる人がいなくなっちゃったんですよね。』
火「親族はどうした」
貴『被害者のお母様、言ってたでしょう？疫病神だって。
私相当嫌煙されましてねえ。
まぁ幸い引取ってくれる人はいましたが完全に疫の押し付け合いでしたよ。』
Aの回答に聞くべきではなかったかもしれないと少し反省をする火縄。
しかしAは全く気にしてないように話し続けた。
貴『ま、親が死んだとて不審者は待ってくれない訳で。』
桜「警察には頼らなかったのか」
んーまぁそれでも良かったんですけどとまた水を一口飲む。
貴『あの頃むしゃくしゃしてたんでサンドバッグが欲しくて』
森「喧嘩じゃねえか」
貴『ちゃんと正当防衛になるまで手えだしてないから合法』
森「不審者についていった純粋さはどこへ…？」
ケラケラとAは笑うが全く笑い事ではない。
普通に考えれば全く正しくない対処法だ。
貴『なんか両親死んだ時にあ、一人で生きてかなきゃいけないんだなぁって急に冷静になったっていうか、大人になったっていうか。』
親が死んだ時確かに悲しかったけどそれよりもどうやって生きていこうとかずっと考えてたしとAは笑う。
けれどその笑みはどこか乾いているようにも感じた。
貴『まぁ今でも割とちょこちょこ不審者が出てくるんでそういう時は路地裏に連れ込んで鳩尾に一発キメて放置してます！』
鍛え始めてから結構減ったんですけどまだ結構いるんですよねえとやれやれと言わんばかりの表情でAは話す。
貴『最近だと殴った変質者がもう一度殴ってくれってやってきたりもします』
森「お前は今すぐ警察に行け！！」
Aの身を案じた森羅がそう叫ぶが、Aは大丈夫大丈夫とあまりにも軽い反応。
このくらい慣れてるとグイッと水を飲み干した。
桜「…いや、今からでも警察に行くべきだ。」
何か起きてからじゃ遅いと心配の言葉をかける桜備。
そんな桜備にAは少し驚いた顔をして大丈夫ですよと笑った。
貴『それに、何となく信用できないんですよねぇ。
サツって。』
そう言って、Aは空のペットボトルをパキョッと潰した。
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ふたば(プロフ) - この作品とても面白くて大好きです！夢主ちゃんのスパダリっぷりに思わずキュンキュンしてしまいます笑これからも執筆頑張って下さい✨ (2021年10月25日 0時) (
レス) @page50 id: 4559ad2a7b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年9月30日 18時) (レス) @page2 id: cc011a7ffe (このIDを非表示/違反報告)
陸(プロフ) - 色々ありますよね、大丈夫ですよ！ (2021年9月20日 0時) (レス) id: 19eff5b33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2021年9月18日 20時
