【忍たま】あえて言うなら雨女。【トリップ】 (ページ8)

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6:雨女、道に迷うページ8

食事を終えたあと、食堂のおばちゃんとすっかり意気投合し、明日から手伝いをすることになった。

「他にどこか手伝えるところはないかな…？」

そう呟くと

「あら、じゃあ…事務室に行ってみたらどうかしら？そういえば吉野先生が事務員の人数が足りない、って言っていたわ」

行ってあげたらきっと喜ぶわよ。

とおばちゃんは笑って言った。

「わかりました、ありがとうございます」

私も微笑んで、食堂をあとにした。

しばらく歩いたところでふと気づく。

(…やっば、事務室の場所、聞くの忘れた…！)

どうしよう…と悩んでいると、近くに人の気配がした。

後ろにいる…？

思い切って振り返ると、小さな人影が1、2、3…11？

1人、こちらを覗いては引っ込んでを繰り返している。

私は恐る恐る近づいてある一室を覗き込む。

すると、案の定影の正体があり、怯えている子もいれば、こっちを睨んで手を出すな、みたいな表情をしている子もいた。

「あの」

と声をかけると、皆ビクッと肩を震わせる。

どうすれば警戒といてくれるかな…？と考える。

なんだっけ…保育とってる子に聞いたんだよな…。

そう思いながら、私はしゃがんで目線が同じくらいになるように向かい合った。

「なんですか…？」

11人のうちのそばかすの男の子が口を開いた。

良かった、少し表情が柔らかくなった。それを確認した私は

「えと…、怖がらせてごめんね。事務室の場所、知りたいんだけど聞くの忘れちゃって…良ければ案内してくれませんか…？」

と、少し微笑みながら話す。

すると、

「わかりました、案内します」

ついてきてください、とその子が言うと

「乱太郎1人じゃ危ないから俺も行く」

と、青い髪の、スカーフを首に巻いた男の子が私を睨んで言った。

「僕も」

と、身長の低い子も言った。

…結局全員ついてくるんかーい。

なんて思いながら、

「それじゃあ…お願いします」

頭を下げてお願いすると、その子達は目を見開いていた。

それでも、表情は少し硬かった。

(この怯えようは…前に天女がなんかやらかしてたってことだよね。確か学園長先生は上級生を首ったけにして下級生にえぐいことしてたって言ってたから…)

そんな考えを張り巡らせながら、私は皆について行った。