【忍たま】あえて言うなら雨女。【トリップ】 (ページ24)

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17:名前が聞けない雨女ページ24

暫くして、秀作がやって来た。

どうしたと問いかければ

「Aちゃん、事務仕事僕だけでも終わりそうだから、もう大丈夫だよ」

と言われた。

その言葉を果たして信じてよいものなのか…。

それに今はお昼時。秀作なりの気遣いかな？

と思いながら

「そう？じゃあ私食堂手伝ってくるから、なんかあったら食堂に来てね」

と言って私は食堂に駆けて行った。

食堂に向かう途中

「おわっ！？」

「わっ」

ドンッとぶつかった感覚がした。

私はすぐに顔を上げて

「ご、ごめんね！大丈夫？」

と聞くと、薄緑色の忍服を着ていて紺色の髪色の男の子が顔を上げて

「あ、だ、大丈夫…です」

と、私から目を逸らして言った。

(この子も天女になんかされた1人かな…？)

と思いながら

「よかった、じゃあ私食堂の手伝いあるから」

ひらひらと手を振って私は走り出そうとしたところ、ぎゅ、と着物の袖を掴まれて

「どわっ！？」

地面とキッスしてしまった。

「え？え！？どうしたん！？」

私は動揺してその子を見る。

「そこ、落とし穴あります」

「え、どこ！？」

「ここです」

と言って紺色の髪の男の子は地面を軽く触る。

すると少しだけ地面がへこんだ。

「えぇ…なんでもありだなここは…」

教えてくれてありがとう、と言うと男の子は一瞬驚いていたが、すぐに元の顔に戻り

「いえ、僕はこれで…」

と言って去っていってしまった。

「うぐ、また名前聞けなかった…」

ガックリ肩を落として、私は食堂へと向かった。

食堂に着いた時、まさにそこは戦場と化していた。

「Aちゃん！手伝って！」

と言う食堂のおばちゃんはあまりにも忙しなく動いていた。

その声が大きく、私は弾かれたように

「は、はいっ！」

と言ってパタパタと手伝いを始めた。