【忍たま】あえて言うなら雨女。【トリップ】 (ページ18)

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13:怖いもの知らずの雨女ページ18

次の日

私は、食堂のおばちゃんにお使いを頼まれたため町へと移動中。

そんな時だった。

「オラ！金目のものを出せ！」

という声と共に、子供の泣き声が向こうの方から聞こえた。

(強盗？今どき？あるかもしれないけど…)

そう思って泣き声に耳を傾けていると

その泣き声はどこか聞き覚えがあったような気がして、気づけば、私はその方向へ走っていた。

そこは、まさに修羅場。地獄絵図そのものだった。

山賊らしき輩が、子供に刃物を向けている。

そして見覚えのある子が目に大粒の涙を浮かべて山賊らしき輩を見ている。

それを周囲の人達は見て見ぬふりをして去っていく。

(いつの時代もこんな感じなんだ)

そう思いながら様子を見ていると、山賊らしき輩の1人が子供の1人に向かって刃物を振り上げる。

「危ない！」

私はそう叫び、走り出す。

そして、私は山賊らしき輩の刃物を素手で掴んだ。

じわりと切れた箇所から血が滲む。

なぜだかあまり痛くない。

私は山賊らしき輩を睨みつけて

「…子供相手になにしてんの！」

と言った。

刃物を素手で掴み、平然と言い放つ私に引いたのか、男が私の素手から強引に刃物を引っ込める。

と同時に血飛沫が私の手から飛んだ。

皮膚が切れる感覚がして、私は少しだけ顔を歪めた。

山賊らしき輩はニヤリと笑い

「威勢のいい女は嫌いじゃねえぜ？」

と言って、歩み寄るなり私を殴った。

なんか口の中が鉄の味がする。

痛くはなく、むしろ

(え、殴られるってこんな感覚なんだ)

そう思いながら、ぺっと口の中に溜まった血を吐き出す。

「私を血祭りにあげるのはいいけど、この子達に手を出したら許さないから」

と言ったが

後ろから叫び声がして振り向くと、子供達が今にも斬られそうだった。

「っ！」

間に合って！そう思いながら手を伸ばし、その子達を抱きかかえる。

その瞬間、背中に鋭い痛みが走った。

輩に斬られた、そう思うのにさほど時間はかからなかったが、私はまっ先に

「怪我ない？」

と聞いた。するとその子達は泣きながら頷いていたため、内心ホッとしながら

「っし、逃げるよ」

と小声で言う。

「でも、どうやって…？」

不安そうに聞く青い髪の男の子。

私は少し考えて、二人の顔をみやり、にこりと笑って

「私に任せて」

と言った。