【小説】神様の依頼箱 (ページ8)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:8,824 hit

疲労困憊…小和泉弥生ページ8

「…弥生姐、どうしたの？いつも以上に機嫌悪い。…というか、ぐったりしてるよ？」

そう言いながら、寝起きの私のボサボサ髪をといてくれる瑛里華に対して、「ううん、大丈夫�・♪」なんて軽い返事が流石の出来なかった。普段なら出来るのに。

というのも貴重な休日である昨日、書類がたまっている局長の代わりに政府の所まで急遽届け物をしにいったのだ。

別に届け物したからといってぐったりしている訳じゃない。局長にはいつも世話になっているので、こんな時ばかり手助けが出来ればと思っての事だし、あの将軍サマと局長が会うかも会うしれない。そっちの方が私としてはよっぽど良くないのだ。

問題はその後、行った先での受け渡し相手の事だった。

「…ほんっとあの老中腹立つ…！！」

皮肉な事に相手が憎たらしくて仕方ない小麦疾だったからだ。

すぐ終わるはずの受け渡しが口論のせいでとても長引いてしまい、やっと終わって(というよりも半ば強制的に周りに終わらせられて)帰ろうとした矢先、近くで喧嘩が起こっているとの事で何故か仲裁に入れられた。

やや手荒ではあったものの喧嘩を終わらせて、本当にようやく帰れたのが夜更けなのだ。

もしもこれが神様のイタズラだったらなんて愉快な事だろう。もしそうならイタズラしたヤツ出てこい大気圏までぶっ飛ばす。

「…一ノ瀬クン暇でしょどうせ。手合わせしてもらお。瑛里華、午後ひまなら城下町いって買い物しに行こう。他にも数人誘ってさ�・♪」

そう言い終えたと同時に瑛里華の返事も聞かずに部屋を出て一ノ瀬クンの部屋目指して走り出す。

相手からしたらかなりの迷惑だがそんなの知らない。今日買い物しに行った際にお詫びとして団子買って渡したらいいでしょ。

そうだ、他の隊員や神妖の分も買おう。でも雅さんはこの前みた綺麗なかんざしの方がいいかな、ついでに局長の分も探してみよう。

そうして今日の予定を考えていると次第に機嫌が直ってきた。

(…今日は昨日と違って結構良い日になるかもしんない♪)

そう思いながら私は柄にもなくウキウキで曲がり角を曲がった。

＿＿刹那、大きな音をたてて思いっきりすっ転び、顔から床へ見事にダイブした。

(……寝起きは体が思うように動かないのにどうして走ったんだ自分…。)

前言撤回、良い日なんてなるものか。

3月31日更新透明少女