魅惑の花

See you some day ページ42

.









『みんなっ！.....』









控え室の扉を開けると

笑顔で俺たちを迎え入れてくれたA









理人「ハナっ......！」









迅「ハナちゃん....」









みんながAに泣きつく









『なんでみんなが泣くんだよ〜』









ひとりひとりとハグをし合って

みんなを励ましている









『将吾ほんとにお疲れ様』









将吾「Aもね」









不思議と涙は出なかった









出なかったというより

泣いてはいけない気がした









『俺威尊のところ行ってくるわ』









俺の元を直ぐに離れて

威尊の元へ向かった









あまりにも頼りなくて

今にも全て壊れてしまいそうな背中









我慢していた涙が

どんどん溢れ出てくる









本当はAだって

泣きたいはずなのに









最後まで仲間のことを思って

涙ひとつ流さないAはやっぱりすごい









スタッフさんに呼ばれ

部屋を出ていこうとするA









『みんな本当にありがとう
みんなのことずっと応援してる！』









最後の最後まで

太陽のような笑顔でみんなに言い放つ









" バタン "









閉められた扉を思い切り開けて

Aの後を追うと









将吾「A.......！」









手すりに捕まりながら座り込み

口に手を当てて泣き出すA









咄嗟に手を貸しに行こうと

思ったけど









すぐに立ち上がり

俺の方を振り返る









『たじはデビューしたんだよ
ちゃんと頑張らないと許さないからね』









俺の方を振り向こうともせずに

どんどんと行ってしまう









将吾「A！絶対に会おう！
世界中を探してでも絶対に見つけだすから！」









もう、俺の元へ嬉しそうに

駆け寄ってくるAはいない









それどころか

これからどこに行くのかすら分からない









" またいつか、会おう______ "









なんだか二度と会えない気がした









でも、もし会うことが出来たら









約束守ったよって









堂々と胸を張って









大好きな君に伝えたい









.

お知らせニダ→←運命は残酷で

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す