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「もうすぐつく」
この6文字ほど見慣れている言葉はない
鍵開けとく、と返信してスマホをテーブルに置いた。
冷蔵庫をあけて中身の無さに呆れたけど、いつもの様にキンキンに冷えた缶を2つ手に取ってさっきまで座ってたソファに腰掛けるとガチャっと玄関のほうから音がした。
「はあマジでつかれたー」と言ってバタバタと歩きながら部屋に入ってきた彼
「お疲れさま」
持ってる缶をひとつ渡すと分かってるじゃん、と言う表情をしながらふわっと笑って慣れた手つきで開けた彼は当たり前のようにわたしの隣に腰掛けた。
かんぱい、のハモリをして一気に口にお酒を流し込む
「今日、颯太がさー」
「また内村くん？ほんとに仲良いね」
「アイツ本番中に笑わせてくんの、マジやめて欲しいわ」
「たのしそう(笑)わたしも時間あったら見に行きたいな」
いやマジで来んの？と言いながら
席用意してもらえるかあとで聞いとくわって呟いた
「湧がチャリ乗ってるの見たいもん」
「その言い方やめてくんね(笑)ちゃんとしたフライングだから」
「あはは、かっこいいーかっこいいー」
「おねーさん棒読みバレバレですよ」
「あとあれみたい！ボクシング戦うシーン！」
「なあそれ風磨くんと樹くんな」
なんて2人で笑いながら缶に入ったお酒を飲み干す
横でお酒を飲みながらヘラヘラしてる彼は絶賛舞台中だ。
「あ、そーいえば昨日のドラマもう見た？」
「ううんまだみてない、一緒に見る？」
「おう、見ようぜ」
わたしの部屋の物の位置なんて把握してます、て感じでテレビの前にあるリモコンを手に取って鼻歌を歌いながら、自分の家かのように操作する湧
わたしより一つ下の彼はまだ子供っぽいところもあってかわいい。髪も染めたばっかみたいでサラサラで目もぱっちりしてこんだけ疲れて帰ってきてるのに、さすがジャニーズ⋯⋯と改めて思う。
そんな彼をぼーっとみてたらその視線に気付いたのか優しい顔で「ん？」と不思議そうな顔をするから笑って誤魔化す
.
「友達」以上「恋人」未満なんて言葉、よく聞くけど湧との関係はそれに近いのかもしれない⋯多分。
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作者名：ぴ | 作成日時：2022年9月14日 7時
