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｢なあ湧、そろそろ伝えないの？｣
｢は？何を？誰に？｣
｢Aちゃんに、自分の気持ち｣
｢A？なんでAの名前出てくんの？｣
平塚がよく分からないことを言いだした。
Aはサークルも学部も、バイトもおなじ仲いい友達だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
でも人一倍優しくて気が利いて、可愛くて、一緒にいて楽。
｢自分で気づいてない系？｣
｢どういうこと？てかその○○系？って何年前のギャル(笑)｣
｢あーもうこれだから湧は。もたもたしてたらAちゃん他の男に取られるぞ｣
サークルの飲み会、平塚に連れてかれてAの隣から離れた。周りの女子たちはうるさいけどベロベロになってみんなほぼ潰れてる。
｢あーあ、黒ちゃんに取られるよアレ｣
そう言いながら平塚が指を指してる方に視線を向けた。
｢…なんだよあれ｣
Aに寄りかかる黒ちゃん、その黒ちゃんの頭を撫でてるA。はたから見たらただのカップル。
なんだろ、凄いムカつく。
｢嫉妬してますね湧さん｣ニヤニヤしてる平塚
｢なに？うるさいんだけど｣
｢もういい加減気づいたら？｣
平塚のそばを離れてAのとこに戻って黒ちゃんから引き剥がして外に一緒に出る。
さっきの平塚の言葉、Aにも聞いてみたら
｢これって好きってことなの？ ｣
｢…んーそうなんじゃない？｣
そう帰ってきて、一気に自分の気持ちに気づいて。
Aの家で2人きり、好きな人の家…
お酒も入ってふわふわしてるAを見ると理性が効かなくなる。
このままじゃマジでやばいことになると思って帰ろうとすると引き止められるから、その顔見た瞬間、もう我慢の限界だった。
｢…マジで好き、Aのこと。｣
そう伝えたら小さな声でほんと？と腕を俺の腰に回してきた彼女。
｢…わたしもずっと、好きだった。湧のこと。｣
そう大好きな笑顔で言われた瞬間。
身体の中が暑くなって、フワフワしてきて。
この感覚はアルコールじゃなくて、恋なんだって。
Aのお陰で気づいたよ。
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作者名：ぴ | 作成日時：2022年5月8日 12時
