タイムマシーン（Ryusei.F） ページ11
｢もしも〜し｣
｢…なにこんな時間に｣
｢なにしてるの〜？りゅーせい｣
｢酔っ払ってんだろ、切るよ｣
｢ねえー、やだやだ。なんでそんないじわる言うの？｣
｢てかお酒弱いくせに呑むなよ…今どこにいんの？｣
｢いえ！ひとり！うそ、みんなねたの！｣
だからりゅうせいに電話した、と話せばため息が聞こえてきた。
｢酔って元カレに電話してくる女嫌いなんだけど｣
｢ひどい｣
｢とりあえず、水飲んで寝ろよ、おやすみ｣
ブチッと切られる電話。
あー、なんでお酒飲むと竜生の声聞きたくなるんだろ。
てかなんで別れたんだろ、私がいけないんだよね…
好きだったのに。
…いや、いまでもすき。
竜生と付き合ったのは大学1年、ちょうど一年前だ。
竜生はモテるし優しいし、運動もできてさらにカッコイイ。
だから不安になっちゃったんだ、釣り合ってるかなって。
今思うとそんな不安を感じさせないように色々私に尽くしてくれたのに。
｢あーー竜生と付き合いたい｣
｢何回目？てか自分から振ったんだよね？｣
｢…はい、そうです｣
｢じゃあなんとか復縁持ちかければいいじゃん｣
そんな簡単なことじゃないんだよ檜山くん
目の前で今日のA定食、ポークカツカレーを食べながら私の話をどうでも良さそうな顔で聞く彼。
｢竜生今彼女いるもん、むり、絶対無理｣
｢じゃあ諦めてほか行けば？｣
時々辛辣なんだよねこの男。
｢いまの彼女とわたし全然違うしな…｣
｢たしかにいまの彼女大人しくて清楚かわいいって感じだもんね｣
｢出ました辛辣発言、少しは気を使え｣
｢少なくとも酔って電話かけるような女の子じゃないもんなー｣
そう、いまの竜生の彼女は私と反対でかわいくておしとやかで。
私と付き合ってくれてたの幻だったのか？と今でも思う。
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作者名：ぴ | 作成日時：2022年5月8日 12時
