158話 ページ19
やっぱりちゃんと言おう、と決心した時、逆にむこうが話し始めた。
「勘違いすんなよ、諦めてやるってことじゃねえからな」
「ん？」
あれ、なんか思ってたのと違うんだけど。
とりあえず自分の気持ちを吐き出したかったから言った、とかじゃなかったの？
「俺は負けんのが嫌いなんだよ」
「充分存じ上げております」
「だからてめーもぜってぇ落とす」
「えー…」
おおう、そっちか…。
負け戦はしないじゃなくて、どんな試合でも必ず勝ってやるスタイルなのね。
さすが自信家、やることが違うわ。
今もまじで、凶悪犯が完全犯罪思いついた時みたいな悪い笑顔してるし。
じゃなくて、普通にこれまずくない？
私、大丈夫？
これからさらに面倒なことになる気しかしないんだけど。
お前も恋愛にうつつ抜かしてないでヒーローになることに専念しろよ。
「せいぜい気張っとけや。んじゃ、帰んぞ」
そう言って自分の鞄を持って教室のドアに向かって行く爆豪。
やけにスッキリした感じ出してんじゃないよ。言いたいことだけ言って出て行きやがって。
教室だって私が戸締りしてんだからな。
偉そうにすんなよ。
心の中で散々文句を垂れながら、またしても机に突っ伏す。
全然落ち着かない。
やたらと体温が高い気がするのは、まだまだ夏の暑さの残るこの季節に、クーラーを止めた教室に居たからなのか、それとも…。
だめだ、何も考えるな自分。
考えても、ろくな方に思考が行く気がしないもん。
初めての告白に舞い上がってんだよ。嫌だ、なんか気持ち悪いな。
仕方ない、音楽でも聴くか。
いや、ここはあえてラジオとかの方がいいのかな。
そう思ってとりあえずイヤホンを鞄から探していると爆豪が半ギレで「おせーんだよ！！」と言いながら戻ってきた。
え、さっきの今で一緒に帰るの？
いつもに増して気まずいんだけど。お前もしかしてメンタルまでムキムキなの？
1人で帰らせて欲しい、と懇願するが全く受け入れてもらえず、そのまま無理やり引きずられて教室を出ることとなる。
途中で、教室のドアの鍵を閉めてないことに気づき、今度は私が半ギレで教室に戻って鍵を閉めた。
もちろんのこと爆豪もついてきたけど。
鍵返しに職員室に行ったらプレゼント・マイク先生にめっちゃニヤニヤされながら「青春か！！」とか言われて殴りそうになった。
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まり - めちゃくちゃ面白いです…！一気読みしました。佐倉ちゃんの誕生日が自分と同じでテンション上がりました！ (2021年6月24日 14時) (
レス) id: 477cae400a (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しいです！応援ありがとうございます！頑張ります (2021年5月30日 16時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - いつも楽しく拝見してます、、！続編嬉しいです！完結まで応援してます！！完結しても読み返します！！ (2021年5月22日 11時) (レス) id: 1f46a5e721 (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ハルカさん» コメントありがとうございます。私の好きなタイプの子を書いてるつもりなのでそう言っていただけて嬉しいです！ (2021年5月11日 12時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - こーゆう性格の主人公めっちゃ好き (2021年5月8日 14時) (レス) id: 6f3fd88438 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エルマー | 作成日時：2021年2月11日 7時
