異世界に堕ちた少女は何を見る１ (ページ2)

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窓際の席は心地いい* ページ2

亞夢(放課後の教室にて)

(キーンコーンカーンコーン……)

授業が終わり、
クラスメイト達は帰っていく。

「はぁ…本当に皆元気だね…」

教室の中をオレンジ色の光が差し、
夏が終わったと切なげに秋風が吹いている。

窓際の席は最高で、
よく本を読んでいる亞夢にとっては
これ以上にないVIP席であった。

「んー…さて、と。帰るかな…」

流石に遅くまで学校にいると先生に
叱られてしまう。それは絶対に避けたい。

生徒達が先生に挨拶していたり、
ボールを持って「サッカーすんぞ」と
大声で言ったりしている。

階段を降りて、校門へ。

校門を出ると右に曲がった。

此処を車が通ることは少なく、結構静かだ。

石階段を降り、道の端にある
御地蔵様に手を合わせる。

影が右に伸びてきた。
最近は早く日が落ちてしまうので
急いで帰らなければいけない。

「前はよく皆で怪談ごっこしてたなぁ…」

と静かに笑う。

「夜になるとね、大きな化物が出てきて、
夜遊びしてる子をさらっていくんだって～」

なんて皆言ってた気がする。

懐かしいなぁ……

でも皆バラバラになっちゃった…

高校になるとほとんどが受験をする事になる。

そのせいでバラバラになる事が多いのだ。

中にはそのまま就職して働く子も居る。

きっと大変なのだろう。

亞夢は自分が今ちゃんと高校に通えてる事に

ただ感謝していた。