５人の王子はセッターズ【ハイキュー】

lesson 22【及川side】 ページ23

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"生徒会のお世話係"に憧れる女の子は沢山いる。







全額免除もあるけど、なんて言ったって生徒会は皆、地位も財産もあるから。








権力、金で寄ってくる女の子は数しれない。








今年、お世話係に選ばれたその子も案の定、俺達の地位や財力しか興味なくて








強いていえば、後は俺達の外見目当てだろう。









顔はまぁまぁ可愛いくても、俺達生徒会に媚びる目を見ると吐き気がする。









自分を偽って、必死に隠してまで何が欲しいのか。








甘い声で誘惑されても、不快にしか思わない。









それでも、呼ばれれば染み付いた笑顔で返すのは、味方が沢山いた方が上手くいくから。







ただそれだけ。









新しく来たAちゃんも、どうせ地位や金目当てだと思っていた。








でも、それは俺の読み間違いだった。








『私は、裕福な生活よりも、自分らしく生きたいです。だから後悔はしてません。』









泣きそうな顔を必死に強ばらせて、弱さを見せようとしない。









素直で、真っ直ぐで、飾ってない子。









そんなAちゃんが眩しく見えた。









そう思ったら、無意識にAちゃんを抱き締めていて、









らしくない優しさを向けていた。









泣きつかれたら面倒くさいから、女の子には上っ面の笑顔を向けるだけなのに。









(可愛いなぁ.....)









俺の胸の中で子供のように泣くAちゃんを見て、愛しい、と初めて思ったーーー.....









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