５人の王子はセッターズ【ハイキュー】

lesson 18 ページ19

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できるだけ目を合わさないよう俯いていると、私の頭上から、思いがけない言葉が発せられた。







及「君さ.......









何者なの？」









.........っ









その声は、









及「君のこと、調べたんだけどさぁ.......、なーんにも分からないんだよねぇ？」









さっきと比べ物にならない程、









及「この俺が調べても何も分からないってことは、誰かえらーい人がAちゃんの情報、隠してるんじゃない？」









恐ろしかった。









及「君は何者で、何が目的なのかな〜？」









「.......何者でもありません.....っ、目的もありません。」









この人に嘘をついてもバレるのは確実。









"こういう人"には、目を見て話した方がいい。









それは昔から染み付いたものだった。









私が及川先輩の目を見ると、及川先輩は少し驚いた顔をし、そして再び笑顔を作った。








及「君って、弱いのか強いのか分からないな。追い詰められるのには、慣れてるってことかな？」









私が一瞬目を泳がしたことを見逃さず、及川先輩は続ける。









及「へぇ、素直なところもあるんだ。でも残念、頑張っても俺には通じないから。」








それに、と付け加えて、








及「それに、言わないならクビにするよ？困るのはAちゃんだと思うけどな〜」









悪魔は不敵な笑みを浮かべた。









.....この人には勝てない。








.....元から勝てるとは思ってなかったけど。









「.....私、及川先輩が怖いです。普段と今、どっちが本当の及川先輩なんですか。」









及「あれ〜、もう弱いフリやめるの？」









「強がってるだけです。」








及「あははっ、やっぱり素直だね〜。俺は、どっちも本当の俺だよ。ただ、立場上二つの面を持っていた方が上手くいくだけ。」









スッと私から離れ、近くの椅子に腰を掛けると、及川先輩が座っている斜め前の椅子に座るよう、促された。









正面で話すより、斜めで話した方が威圧感を与えず、緊張せずに話せるという事を、きっとこの人は知っている。









他社と交流をする際には、立ち位置は重要になる。









流石この学校の生徒会長。







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