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第二位始祖であるウルドを相手に仕方ないから血を寄越せ。という言い分はどんなに弁解があったところで身勝手極まりない上に怖いもの知らずな言い草だ。
今のところは酷くウルドの気分を害するまでに至っていないものの、いつそうなるかはわからない。
そうなってしまったら今度こそAの望みは永遠に叶わない。
慎重に進めるというより、大胆に頭脳を駆使する方が向いているルクは自分自身に合った方法で説得を進めようとしていた。
どちらかといえば、今のウルドの顔に浮かぶのは呆れの色が濃いように思う。
先ほどからため息の回数も多い。
「どうせ断った所でお前はしつこいだろう」
「よくわかってますねぇ」
「何年お前と付き合っていると思っている」
最後はウルドが折れたと言うのが正しいか。
しつこく付きまとわれることは御免だとでも言うように、ウルドが血を与えることを了承した。
お陰で無意識に入っていた肩の力が抜け、楽になったルクはいつもの調子でニイっと笑う。
これでAの望みのための足掛かりは完成した。
Aとルク。
この二人が望む未来は足音が聞こえるほどの距離まで迫っていた。
永遠の何を得るかは、それぞれの頑張り次第。
絶望でも退屈でもない、温かなものを求めてゆっくりと動き出した歯車に身を任せる。
ルクがウルドとの話を終え自室に戻れば出迎えはなく、その代わりに目的の人物はベットの上で布団にくるまり、すうすうと寝息を立てていた。
部屋を出る時に緊張した面持ちで送り出したAだったが、どうやら緊張したまま待ち続けたことで疲れてしまったらしい。
普通ならばソファーや椅子、机で寝ていそうなところをきちんと布団の中で眠っているあたり、ルクの教育の賜物だ。
起こしてしまわないよう細心の注意を払いながらベットに腰かけ、眠るAの頭を頬を優しく撫でる。
手袋をしているため、直接な感覚では無いものの柔らかで繊細な感覚はきちんと伝わってくる。
こうやって寝姿を見ているとまるで小動物を愛でているかのような気持ちになるから面白い。
意地悪というわけではないが、少しだけ興味が湧いてAの頬から喉元へと指を滑らせる。
そして、指の腹で撫でるように喉から顎の裏をゆっくりと往復し、未だ夢の世界に居るAの寝顔を見守る。
ルクがこうしていても気づかないほどに熟睡しているらしい彼女は何度か身動ぎはしたものの、それ以上の反応は得られなかった。
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ぽっぽ(プロフ) - 続きが楽しみです！！！ (2021年3月22日 23時) (
レス) id: 16e5bc7bb2 (このIDを非表示/違反報告)
mami20030804(プロフ) - ルク様の小説がなかなかなくて悲しかったのですが、久々に占ツクを開いてみたら面白そうなお話が上がっていたので読んでみると本当に面白くて最初から最後まで1日で読んでしまいました。毎日今日は更新してるかなと気になって毎日開いています(^^) (2021年3月10日 22時) (レス) id: be7fc41ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!（クソデカボイス） (2021年2月5日 7時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2021年1月25日 1時
