【FGO】白昼夢のその先で【短編集】

２ ページ8

けれど俺がそう思えるのは、何もルーラーだけではないのだ。彼女はもっと自分のことを知った方がいい。



「そんなことないよ。君なら明るい色も似合うだろうけど……俺はこっちの方が好きだな。いつもの格好だって、黒い服に白い髪と肌がよく映えて綺麗だ。いつもといえば、髪型も変えてるんだね。三つ編みがすごくお洒落で良いと思う。あとは」
「も、もう結構です。貴方の考えはよくわかりました」
「これでもまだ俺の感性がズレてるって言える？」



　素直な感想を伝えると、オルタは悔しそうに顔をしかめた。

　他にも彼女の魅力はたくさんある。しかし、全て挙げようとすればきっと日が暮れてしまうだろう。



「ああ、でも露出は控えてほしいな……この綺麗な肌を他の男に見せたくない」



　普段なら隠されているその肌は、きめ細やかでハリがある。女性らしさを感じる美しさだ。

　それをこうも惜しげなく晒してしまうのは勿体ない。



「なっ……！？ 気色悪いことを言わないでください！ 貴方、変態ですか！？」
「思ったことを言ったまでだよ。好きな子の全てを独り占めしたい、それだけ」
「うるさいっ！ この気障男！ それ以上喋ったら燃やすわよ！！」



　勇ましく吠えながらキッと睨んでくる彼女の頬は、これでもかというほど赤く染まっていた。

　その熱にこもるものが怒りではないことを俺は知っている。それだけ長い間、彼女を慕い共に過ごしてきたのだ。



「ほらね、やっぱりオルタはかわいい」



　ふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまうオルタ。そういうところも含めて『かわいい』のだと言えば、きっと更に機嫌を損ねてしまうだろう。何事も加減が大切である。


　せっかくの機会だ。思う存分、楽しもうじゃないか。





END.

★流れに委ねて（マーリン）→←英霊祭装（ジャンヌ・オルタ）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す