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そして彼はそのまま指を舐めた。そう、舐めたのだ。私の口元についた食べカスを、赤い舌でぺろりと。
「ちょっ、何してるの！？」
「あー、ついうっかり……」
あまりにも驚いて思わず体を仰け反らせた。突拍子もない行動をした本人も驚いている。
まさか無意識でこんなことをしたのだろうか。ナンパが好きだと言っていたが、なるほど、手慣れている。
しかし私はこの男と違って、異性との触れ合いに慣れていない。少女漫画で見かけそうなベタな展開に、先程よりもずっと恥ずかしくなる。彼に触れられた場所が熱い。
忙しなく視線を泳がせていると、また彼の手が伸ばされる。それは私が距離を取るよりも早く近づき、そっと唇に触れた。なぞるように滑る。
今しがた彼が舐めた指で──。
「間接キス」
深緑の瞳が私を捉える。
こちらを真っ直ぐ見つめる双眸の奥に、言いようのない熱がちらついたのは気のせいだろうか。
何か言わなければ、と思うのに体はぴくりとも動かない。彼の視線が私を雁字搦めにする。
「なーんてな」
おどけた声とともにぱっと表情が切り替わった。同時に指も離れる。肩をすくめるその姿はいつものロビンだった。
「トリック・アンド・トリート？」
途端、にやりと笑ってみせた彼に、私の心臓が暴れ出す。揶揄われたのだ。
今日はハロウィン。お菓子を堪能するだけの日ではない。
なんて甘やかでたちの悪い悪戯だろう。
「ロビンの馬鹿！！」
「はははっ、ちょいと気障すぎたかね」
声を上げて笑うロビンは心底楽しそうだった。
悔しくて憎らしいけれど、私を見るその瞳がひどく優しげで、文句が喉に詰まってしまう。
ドキドキと落ち着かない鼓動をなんとか鎮めようとするが、なかなか静かになってくれない。彼がいる限り心臓がいくつあっても足りなさそうだ。
END.
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カオスちゃん - やばい、、、最高ですO(≧∇≦)oこれからも無理しない程度にがんばってください！ (2020年2月28日 11時) (
レス) id: 0590ce9a8b (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - にょるとさん» ありがとうございます！！そう言っていただけてとても嬉しいです……！！更新がんばります(っ `ω´ c) (2020年2月18日 22時) (レス) id: 84ce28e35f (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - カオスちゃんさん» お返事が遅れてしまいすみません。2回目のリクエストありがとうございます！早速書かせていただきますね！ (2020年2月18日 22時) (レス) id: 84ce28e35f (このIDを非表示/違反報告)
にょると(プロフ) - 貴方のような人を待っていました！！(誰)最高でした…もし良ければ私も書いてますので宜しく御願いします…素晴らしかったです。。更新待ってます。 (2020年1月6日 3時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
カオスちゃん - 続けてリクエストごめんなさい！ドクターとマーリンで取り合いお願いします(^人^;) できればマーリンエンド、ドクターエンドお願いします(^人^;) (2019年11月7日 12時) (レス) id: 0590ce9a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星良 | 作成日時：2019年8月17日 19時
