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13.答え ページ13

「Aのことが好きだからだよ」



 いざ口に出してみると、それは思いのほかすんなり受け入れられた。

 なんとなく気づいていたのかもしれない。だが、私はそれを認めなかった。認めてしまえばもう後戻りできないとわかっていたのだ。


 ──私はAに恋をしている。


 現にこうして、不安で揺れる瞳を潤ませながら私を見上げる彼女が可愛くて仕方ない。

 たった一人の女性にここまで振り回されるとは。伊達男を自負しておいてこの有様はなんとも情けない。

 だが、私は今からもっと情けない男になる。もうなりふり構っていられない。



「君も知っての通り、私は海賊だ。財宝には目がなくてね。たとえそれが誰かのものだろうと関係ない。奪ってでも手に入れる」



 この状態でもまだ紳士の面を被っていられるほど、余裕を持ち合わせていなかった。









「そんなはずありません。だってわたしは……バーソロミューさんの好みのタイプじゃないから」



 ぽつり、小さな唇から溢れた言葉。



「でも、諦めきれなかった。好きです。どうしようもなく、好き。

……しつこいですよね、ごめんなさい。

これで最後します。どうか答えてください。

やっぱり……」



 彼女の頬に一筋の涙が伝う。






「メカクレじゃないと駄目ですか?」






 瞬間、彼女の手を引き抱きしめた。

 たぐり寄せた温もりを離したくない。さっき掴んだ手首もこの体も私よりずっと細くて、少し力加減を間違えてしまえばあっさり折れてしまいそうだ。



「いいや、そんなことない。そんなはずがない。だからどうか泣かないでくれ。君に泣かれると、どうしていいかわからなくなる」



 そっと彼女のまなじりに口づけた。

 どんなに綺麗な瞳も、どんなに輝く財宝も、Aには敵わないだろう。

 ぽろぽろと涙をこぼしながら、彼女は柔らかく微笑んだ。



「愛しているよ、A」



 君はなによりも美しい。

14.エピローグ→←12.激情



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設定タグ:FGO , バーソロミュー , Fate   
作品ジャンル:恋愛
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星良(プロフ) - 爆死★さん» ありがとうございますッ!!!!! (2020年11月14日 19時) (レス) id: ca2b877203 (このIDを非表示/違反報告)
爆死★ - スッッッキ!!!!(スッッッキ!!!!) (2020年11月10日 17時) (レス) id: da8da72c3c (このIDを非表示/違反報告)
星良(プロフ) - 王のお話さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです!初めてのコメントで感動しました……貴方のそのお言葉がとても励みになります、本当にありがとうございます!!(ただいま新作を準備しております。お楽しみに!) (2019年8月23日 11時) (レス) id: fa3e8c95cc (このIDを非表示/違反報告)
王のお話 - 突然のコメント失礼します。率直に言いますととても感動しました!最初から最後まで話にとても夢中になりました!小説を読んでこんなに気持ちが昂ぶったのは久々で、とても楽しかったです!もし別作品を書く予定がありましたら是非読ませてください! (2019年8月23日 2時) (レス) id: d7d108a59e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星良 | 作成日時:2019年8月13日 13時

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