紺色の事件簿 (ページ23)

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21話ページ23

秀明を出て、少し歩いた。

辺りを見渡すと見覚えのある車が止まっていた。

その車の持ち主は私に気づくと、車を近くまで移動してきた。

「お疲れさん」

『うん。そっちこそお疲れ様。わざわざありがとう、槙兄さん』

「気にするなよ。亜貴にも頼まれてたしな」

「それじゃ、早く乗りなよ」と笑いながら言ってくれる槙兄さん。

すぐにお礼を言って車に乗り込むと、それを確認してから槙兄さんも車に乗る。

「今日はいつもより、遅かったな」

『うん。なんかさ、〝特別クラス〟ってクラスに入れられた。…そこまではいいの』

「なにかあったか？」

『そのクラス、男子4人の内1人が泉にそっくりでさ、面倒いことに巻き込まれた』

「あはは、そうだったのか。それにしても彼奴に似てる、か…」

『どしたの？』

「いや、会わせたらどうなるんだろうなって」

『会わせるんだったら、其奴だけじゃダメだよ』

「なんで？」

『ごめん、説明不足だった』

それから、BARにつく間に特別クラスの全員のことや説明をした。

__________

BARに入ると、兄さん、桧山君、羽鳥がそれぞれ座って話していた。

相変わらず、羽鳥は兄さんをからかっているように見える。実際、からかって楽しんでるんだろうけどさ。

「！やっと来た。お帰り、（人1）」

『ただいま、兄さん』

「慶ちゃんもお迎え行ってくれてありがとう」

「どういたしまして」

「お帰り」「お帰り、（人1）ちゃん」

『うん。ただいま、桧山君。羽鳥も』

「なんか、僕だけついで感があったね」

『当たり前でしょ。また、兄さんのことからかってたんだから、当然の報いよ』

「からかってないよ。事実を言ってたんだよ」

『あんたの場合、それをからかってるって言うの！』

「えぇ〜、ひどいなぁ…」

『なんとでも言え』

「そういえば、（人1）」

『？何、桧山君？』

「お前の通っている秀明の近くでコンビニ強盗があったとニュースでやっていた」

『…え』

「しかし、様子を見ると何ともないようで良かった」

「槙が迎えに行ったからってのもあるのかな？」

『……』

コンビニ強盗？秀明の近くで？

桧山君に再度確認すると、「あぁ」と肯定の言葉がかえってきたため、また黙ってしまった。

それを見た桧山君は、何を勘違いしたのか、「怪我をしたのか」と心配されてしまった。

『あ、うん、大丈夫』

「本当か？」

『うん。怪我もしてないし、強盗に会ってもいないよ』

念のため、菅野君に聞いてみるか…