18話 ページ19
若武の話だと、
・母親は性格が過激だから若武が自転車に乗ってきていることを発見すれば怒ってそれを隠すぐらいはする。
・父親は自分のゴルフバッグで新しいのを買ってほしいと強く言い張っていたものの買ってもらえず、若武をうらんでいたんだそう。
・弟は同じ自転車を欲しがっていたらしい。
だから、あやしいといえば、あやしいらしい。
「お前んとこの家庭って、不毛だよなぁ…」
小塚がため息をつきながら言った。
そんな小塚の頭を若武はコンッとこづいた。
「捜査に感情を入れるなってさっき言ったぞ!俺のマウンテン・バイクには、家庭を崩壊させるぐらいの価値があるんだ」
そう言うと若武は立ち上がり、黒板に歩み寄ってチョークを取り上げた。
「犯人はこの3つの条件にあてはまる人間で、しかも犯行時間である17時5分から21時3分までのアリバイがなく、その上チェーンをちぎる怪力の持ち主だ。同時に、ダイアル錠を開けることができない頭の持ち主でもある。これだけの条件が重なれば、きっと見つけることができるはずだ。手分けして当たろう」
2番が黒木と立花。
3番が上杉と小塚、私。
ん?
「「『若武、お前は何するつもり?』」」
皆で一斉に聞くと、若武は少し気取って両手をウエストに当て、私達を見回した。
「俺はリーダーだ。リーダーの仕事は、皆をまおめることに決まっている。本物のリサーチ事務所や警察でも、トップは歩き回らないんだぜ。デスクに張りついてて、皆からの連絡を待ってるんだ。皆、分かったことは俺に報告してくれ。それを聞いて、俺がこれからの方針を立てていく」
それを聞いて男子3人はため息をついた。
またかって感じの。
そして、次々に言った。
「リーダーシップをとる気なら、それなりの責任は持てよ」
「そうだ。俺の勉強時間は確実に確保してくれ」
「僕が、お前と友達になったことを後悔するほどコキ使うのはやめてほしい。若武って、いつもすっげぇ人使い荒いんだもの」
若武はその言葉にを聞いて、ニヤリと笑って、両腕を広げた。
「分かった。確実にそうするように約束しよう。それでは俺の部下の諸君、頑張ってくれ。健闘を祈る」
なんか、若武の部下って部分がすごく嫌だ。
どうせなら、マトリの関さんみたいな人の部下になりたかったよ。
敬礼をする若武を呆れて半目で見た。
気取り屋が…
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ジュリ(プロフ) - 初めまして、こんにちは。お話の続きがすごく楽しみです!頑張ってください! (2021年8月1日 18時) (レス) id: 95734c7554 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒猫 | 作成日時:2021年7月5日 19時