名も無い関係【進撃の巨人】 (ページ18)

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Episode 17 ページ18

「お前な……いい加減黙って泣きやめ」

「そんなの……無理です……」

「俺の為に泣くのもそそるが、これじゃキスもできねえだろ」

「んっ」

そう言いながらも唇を塞がれ、少しの距離もいらないというように力強く抱きしめられる。

ゆっくりと瞼を閉じると、涙の跡を辿って、また涙が零れた。

「好きです。兵長」

「知ってる」

「大好きです」

「それも知ってる」

「もぉ……」

確かに、言葉や関係なんていらないのかもしれないとAはリヴァイの腕の中で思う。こうやって抱きしめてくれるだけで十分に気持ちは伝わってくるのだから。

「お前が俺に惚れてんのなんてずっと前から知ってる」

「……へ、兵長はいつからですか？」

「あ？」

「いつから……その……私のこと、す、好きなのかなぁって」

顔が見たくて、腕の中から逃れようとするものの、リヴァイがそれを許すはずがなく。暴れるAをリヴァイはさらに力を入れて押さえ込む。

「へ、兵長、苦しいです」

「なら暴れんな」

「だ、だって顔みたいです……」

「見なくていい」

「うう……」

しゅんっと項垂れるAの耳にリヴァイは聞こえるか聞こえないかの声で小さく囁いた。

「……お前が気づく前からだ」

「え？」

「戻るぞ」

「へ、兵長！一体どういう意味ですか？」

「知らん。自分で考えろ」

今日のリヴァイの言葉は彼女を困惑させるものばかりだ。いったい、何に気づく前からだというのだろうか。

答えが彼女に分かるはずもなく。先に歩き出した背中に問うこともできずAはそれを追いかけた。